「ありがとう」「頼んで良かった」という言葉をもらったとき、誰かに必要とされていると感じるときが、この仕事の一番のやりがいだと思います。薬剤師というのは、患者さんにとって医療職のなかでもより身近な存在と感じる方も多いようで、お医者さんには相談しにくかったことを相談されるときもあります。そういうときは、自分の仕事ぶりに対して心をひらいてもらったようでうれしいですね。緊急時にタイムリーで手厚いサービスを提供したいと思って開業した在宅専門薬局。患者さんや高齢者施設の方など、外に出向いてたくさんの人と関わるため、コミュニケーションを大事に、相手の気持ちをくみ取った仕事ができるよう心掛けています。
自分のやりたい分野の未来を考えてみるのがいいと思います。私自身、どれだけ社会は発展しても医療職はなくならないと思います。人の気持ちがくみ取れるのは、人だけですから。学校を選ぶときは、自分の視野を広げられるかどうかも大切だと思います。その点、北海道医療大学はたくさんの学部学科があったのが良かったと思いますね。あとは、どんな先生から学べるか。北海道医療大学の先生は大きな病院に勤めていた方も多いので、その体験談を聞けるのは勉強になりますし、さまざまなネットワークを持っているので何かと心強かったです。開業するときには、あたたかく応援してもらったのも印象に残っています。
学生時代は、スキー部とフットサルサークルに所属。授業だけではなく、クラブ・サークル活動を通して他学部の友だちも多くできましたし、自分の視野も広がりました。今でも交流が続いているので、お互いの医療職についての近況を話したり、情報を交換したりしています。同じ医療の世界で仲間が頑張っていると思うと、刺激になりますね。在学時は先生にもたくさんお世話になりました。私自身、あまりほめられる成績の学生ではなかったので、勉強面ではずいぶんサポートしてもらいました。やさしい先生が多かったと思います。あとキャンパスが広く、自然が多い場所にあるので、のびのびとキャンパスライフを送ることができました。
株式会社セイルクリエーション セイル薬局開業/薬学部薬学科/2009年卒/「本物の在宅医療を提供できる薬局をつくりたい」「緊急時に、もっとタイムリーに対応していきたい」という思いから、在宅専門のセイル薬局を2016年に開業。訪問先である患者さんの家族や、高齢者施設のスタッフの方の負担を少しでも軽減できるようにと、独自のサービスを考え、手厚いサポートができる環境づくりに力を注いでいる佐井さん。在宅専門薬局は、「待つ」より「行く」ことが多いため、一人ひとりが薬局の顔。自分が感じたコミュニケーションの大切さを、スタッフに常に伝えている。広く、質の良い医療を提供するため、最近では新店舗のオープン準備に奔走している。