経験不足からストーリーの組み立て方や画力の足りなさに、落ち込むことも多いんです。でも、わたしも、自分の作品を出版しているプロ漫画家の一人。読者の方に楽しんでいただけるよう、一歩ずつ前へ進むのみです。だって、何よりも絵を描くことが好きで、一日中描いていられること自体が幸せなんですから。そのうえ、読者の方々からの応援メッセージや感想がダイレクトに届くなんて、この上なく、幸運な環境ですよね!反応が良かったときには、やはり嬉しく、「よし!もっと楽しませてやるぞ!」と思います。さらにたくさんの経験を積んで、成長していきたいです。
私の場合、在学中、力試しのつもりで応募したマンガグランプリ入賞がきっかけで、担当付きに。その後、スピンオフ作品でのデビューが決まり、現在に至ります。連載後も、その先もずっとプロの世界に立っていられるよう、私自身の感性を豊かにし、何よりも「読者の方々に楽しんでいただくこと」、「プロとして恥じない仕事をすること」が大切だと思っています。
学生時代にはとにかく、たくさんマンガを描き、興味を持ったことはなんでも追究してみてください。学生だから時間もたくさんあるし、若いから、いい意味で自分の “好き・嫌い” “得意・不得意” は限定されていないと思います。だから、マンガや小説を読むこと、映画を見ることは、ジャンルを問わず積極的に行うことをおススメします。そこで、自分が何を感じるのか、心を動かされたものとそうでないものを自分なりに分析してみてください。それが、自分の個性を確立する糧になるかもしれません。間違っても、失敗しても大丈夫ですよ。頼りになって先輩のように話せる先生たちが、しっかりフォローしてくれますから。
マンガ家/マンガ学科/2012年3月卒/熊本県第二高校出身。小学生の頃からマンガを読むのが好きで、描くのも得意な方だったので、学校新聞では4コマ漫画を担当していた。高校卒業後、福岡デザイナー・アカデミーに入学、在学中にデビューが決まり、講談社 別冊少年マガジンで連載中の「進撃の巨人」のスピンオフ作品「進撃!巨人中学校」を執筆。仕事以外での悩みは、アトリエにこもり、物語の世界に没頭しすぎて、人間の顔を忘れてしまうこと。久しぶりに新宿駅で友達と待ち合わせた時に、あまりの人の多さに絶句。「人間ってこんな顔だったっけ?」となんとも不思議な感覚に陥ったという。大相撲ファン。