音楽に携わる者としては演奏会で拍手をいただいたり、お客様に喜んでいただくことはとても嬉しいことです。演奏の合間に司会の隊員が火災予防についての話もしますので、コンサート後にお客様から「火の元に気を付けますね」などと言っていただくことがあります。そんな時は、消防音楽隊が目指しているものに自分も貢献できたと感じられて、とてもやりがいを感じます。
大学在学中に地元の消防団に入って活動するようになり、その中で消防音楽隊の存在を知りました。実際に消火活動を経験したことで防災の大切さも痛感し、音楽の力を活かして命を守るという職務に魅力を感じるようになりました。音楽を通して世の中に貢献できる。それが他の演奏家の仕事とは違う、大きな魅力だと思います。
私は高校・大学時代に、音楽の道を目指すことにすごく悩みました。それは厳しい世界だと思ったからです。ですが、大変な道であることを分かっていながらも、尚美学園大学で音楽を学ぶことを決意したことが、今の仕事につながりました。大学では音楽を通して出会えた仲間もいますし、人間的にも成長できました。音楽をやっている皆さんは音楽の道へ進むかどうかを考え抜いて、「これなら自分は後悔しない」という道を最終的に選んでほしいと思います。
東京消防庁 音楽隊 勤務/芸術情報学部 音楽表現学科/2021年卒/中学生の時に吹奏楽部でテューバ担当となり、現在に至るまでテューバ奏者として活動。大学在学中に地元の消防団に入ったことで消防音楽隊の存在を知り、卒業後に東京消防庁に入庁。消防署でポンプ隊員として活動した後、音楽隊に配属され、様々な場での演奏活動を通して防火・防災の広報を行っている。