救命や病気治療に用いる様々な医療機器を扱う臨床工学技士。機器の点検や適切な運用を行うだけでなく、実際にその機器で治療を受ける患者さんとコミュニケーションを図ることも大切な役目です。特に患者さんと接する時間が長い透析治療では、患者さんが不安を感じることなく、リラックスした時間を過ごせるようにしたいと考えています。そのため、針を刺すときの痛みを和らげる技術を高めたり、患者さんの心の負担を和らげる会話を心がけたりしています。「いつもありがとう」と言っていただける患者さんも多く、それは私の仕事のやりがいとなっています。この仕事を通して、より多くの患者さんに安心感を与え、笑顔を増やすために頑張ります!
私が高校生のとき、祖父の入院先で人工呼吸器の操作をする技術者を見たのがこの道に進んだきっかけです。もともと機械操作が好きだったこともあり、医療機器という専門的な機器を扱う技術者がどんなことをするのか興味を持ったのです。調べてみると、人工透析装置や人工心肺装置、人工呼吸器、輸液ポンプなど多様な機器を扱うスペシャリストだと分かり、さらに人の命や健康に貢献できる仕事だということに魅力を感じました。スタートは「機械いじりが好き」という何気ないことでしたが、この分野、仕事に巡り会えたことをうれしく思っています。
オープンキャンパスに3回参加して、先生や先輩たちの温かい雰囲気を深く感じ、日本医療科学大学を選びました。まったくのゼロから医療の勉強をしていく過程はとても大変でしたが、その分新しい知識が身につくやりがいもあり、同じクラスの仲間と助け合いながら楽しく学ぶことができました。例えば、人体については解剖や生理学などの授業で学び、医療機器の知識と技術は実践的な実習を通して修得しました。学生の多くは私と同じ普通科高校出身。それでも大学の4年間で、医療機器の専門家として必要な知識と技術の基本を身につけることができました。
深谷赤十字病院 医療技術部 臨床工学課 勤務 臨床工学技士/保健医療学部 臨床工学科/2017年卒/大学では2年次から本格的な臨床工学技士の国家資格試験対策がスタート。「過去問題などをコツコツ行うことで力をつけていきました」。また、就職に際しては多様な医療機器を扱える環境を重視し、深谷赤十字病院を選んだといいます。現在勤務する臨床工学課では、在学中にグループワークを通して他学科の仲間と一緒に学んだ、“チーム医療”がとても役立っているとのこと。