困っている人の痛みと悩みにダイレクトに触れて改善の手助けができる。人の役に立てるということが仕事の魅力です。現代は気づかぬうちに無理をして、身体と心を病んでしまう人がたくさんいます。鍼灸は腰痛・肩こり・寝違い・ぎっくり腰といった身体の不調を治療するだけでなく、自律神経疾患・うつ病など心の問題にもアプローチします。そのほか逆流性食道炎をはじめとした内臓のケアにも人気があります。ですから例えば西洋医学で改善が見られなかったという方、頼れるところがもうないと精神の悪循環に陥ってしまった方がたくさんクリニックに来られます。こういう方々の救世主になれる。とても素敵な仕事だと感じています。
叔母が鍼灸師をしていたので、鍼灸は治療法として身近なものでした。また、叔母が経営する鍼灸院に来られた患者さんが笑顔で帰る姿を見て、何だかこの仕事は良さそうだと、小さい頃から漠然とイメージを持っていました。成長してからはPCに向って1日仕事をする自分が考えられなくて、何か人を幸せにできる仕事に就きたいと思うように。行き着いたのが鍼灸あん摩マッサージ指圧だったのです。学ぶ場所として東洋鍼灸専門学校を選んだのは雰囲気に惹かれたから。何校か見学しましたが、当校は生徒の年齢層が比較的高く、落ち着いた感じがしました。勉強に集中できる環境だと思ったことが学校選びの決め手になりました。
鍼灸で痛みを治すだけでなく、患者さんの人生に+αの影響を与えられる人になりたいと思います。患者さんと長くお付き合いして、人生に寄り添えるような存在となることが目標です。一方でもう一度クルーズ船に乗って世界へ出たいという夢もあります。今の治療院に勤める前の2年間、大型クルーズ船の鍼灸師として働き、薬を飲まないで体調を回復できる鍼灸は海外の方にも好評でした。そしてアメリカ、アラスカ、フィンランド、ノルウェー、グリーンランド、ポーランド、カリブ海周辺の国を回りましたが、振り返ればまだ地球の半分くらいしか見ていない。地球一周したいと思っています。
宮田胃腸内科皮膚科クリニック/鍼灸あん摩マッサージ指圧科/2017年卒/鍼灸師をしていた叔母様に影響を受け、この道を志した田中さん。学校の授業では解剖学が特に好きだったそうで、入学早々、先生に「殆どの人が身体の構造をよく知らない。ぬいぐるみの皮の下には綿があるという程度の理解しかない」と言われたことが印象に残っているとのこと。そして解剖学を真剣に学び筋肉・骨の位置を知ることで、痛みのもとが分かるようになったと話してくれました。卒業後は治療院とクルーズ船で勤務。不妊治療、内的疾患、慢性的な痛みなど、幅広い不調と向き合うことにやりがいを感じています。