スポーツ現場や健康づくりの現場での活動を行う中で気づいたのは、スポーツ競技者のコンディショニングや競技力向上の基盤となる身体活動量・身体的体力と、栄養素等摂取量の関連性については未解明の課題がまだまだ多くあるということでした。研究室では、「身体的体力と競技成績および食事摂取状況の関連性」を明らかにすることを目的に、評価すべき項目を洗い出し、効果的な栄養ケア・マネジメントへの活用につなげる研究を進めています。スポーツ選手が、心身ともに万全のコンディションで競技本番を迎えるためには、食事以外にもさまざまな準備が必要ですが、まずは栄養面で安心して競技に向き合える状態を作ることで、よりよい成果・成績につなげられると思っています。
肥満度を表す指標として国際的に用いられているBMIですが、数値が高いからといって、その人が肥満であるとは限りません。例えば、筋肉質な人は筋肉が重いためにBMIも高くなることがあります。栄養アセスメント実習では、栄養状態をアセスメント(評価)するために必要な要素である、身体計測、食事調査、身体活動量の調査等のアセスメント手法を実際に行いながら、そのスキルの獲得を目指します。学生のみなさんに体育館の中を走ってもらうなどして身体活動量を実際に計測しつつ、多様な視点をもって的確に判断できる力を磨いていきます。
例えば「競技のどのタイミングで何を食べるとよいのか」などといった具体的なことは、まだまだ分かっていません。栄養と身体という身近な疑問について一緒に考えて、一つひとつ解決していきましょう!
専門分野/応用栄養学
略歴/中村学園大学を卒業して管理栄養士を取得、胃腸科専門病院に10年勤務後、アスレティックトレーナー養成学校でスポーツ栄養学の教鞭をとりながら、資格が新設された公認スポーツ栄養士を取得。フリーランスとしてパラアスリート、プロサッカー選手、プロ格闘技選手、ジュニアアスリートへの栄養サポート活動に携わり、運動と栄養の関連についての研究に興味を持って大学院博士課程へ。2023年より現職。