「子ども家庭福祉に携わる支援者の支援」をテーマに、理論と実践、両方の視点から教育・研究活動を行っています。具体的には、子どもや保護者、家庭に対して直接的なケアを行う保育者や児童指導員などが、相談援助によって生活問題の解決を支援する「ソーシャルワーク」の視点を持つことの大事さを伝えています。例えば、保育園での子どもの送迎時のちょっとした保護者の変化に気づいたり、子どもの背景に対して想像を巡らせたりすることによって、適切な支援につなぐことができるかもしれません。2023年4月に、社会福祉学部の附属機関として「子ども家庭ソーシャルワーク研究所」が設立されました。調査研究活動のほか、学生たちの力も借りながら、山口県内の保育者を対象としたセミナーなどを開催し、多くの方にご参加いただきました。
「ソーシャルワーク演習II」では、山口市内の子育て支援NPOが運営する子育て広場をお借りして、夏休み中に地域の子どもや保護者が参加する子育て支援活動を企画し、実施します。準備段階では、子育て広場に足を運び、子育て支援活動を行っている方から地域での活動の意義や方法を学びます。また、現地を見学したうえで、自分たちの創意工夫のもと、活動の企画を行います。活動当日、子どもたちと遊ぶだけでなく、保護者の話を直接聞いたり、親子の関わりを自分の目で見たりすることは、授業では得られない貴重な体験となっています。
私自身、いろんな仕事や学びを経験して現在に至ります。途中で目指したい方向性が変わっても大丈夫です。また、子どもを支援する人には想像力がとても大事。自分の経験も振り返りながら、共に学んでいきましょう!
専門分野/児童家庭福祉、ソーシャルワーク
略歴/福岡教育大学 教育学部卒業、広島大学大学院 教育学研究科 博士課程前期修了。北九州市職員(福祉事務所ケースワーカー・保健福祉局障害福祉課職員)を経て、2003年山梨学院短期大学 保育科専任講師に。また山梨学院大学附属小学校の設立準備に加わり、開校後に事務局長補佐を兼務。2013年からは北九州市内の社会福祉法人本部事務局次長を経て、2016年4月より現職。社会福祉士。