
私は30年ほど特別支援学校で教員を務め、知的障がいや肢体不自由等のある子どもたちの教育や進路指導に携わってきました。その経験から強く感じたのは、「障がい」は本人だけにあるものではなく、環境や周囲の関わり方によって生まれる困難もあるということです。だからこそ学生には、「なぜできないのか」を本人のせいにするのではなく、「どうすればできるようになるのか」を多角的に考える力を身につけてほしいと思っています。
そこでより力を発揮するのがタブレット端末などのICT技術やアシスティブ・テクノロジー(支援技術)です。写真やアイコンを押すと音声で気持ちを伝えられたり、視線入力の技術を使い、子どもたちが自分の思いを表現できる環境を整えてきました。その人に合った方法を考え、支援できる人を育てることが私の目標です。

「ICTを活用し、一人ひとりに合ったコミュニケーションの方法を考える力を育てています」
教員が一方的に話すのではなく、学生が考え、意見を伝えられる授業を大切にしている稲田先生。スマートフォンから意見を書き込めるツールや匿名で質問できる仕組みを取り入れ、発言が苦手な学生も自分なりの方法で参加できます。
また、AIで作成した4択問題をゲーム感覚・クイズ形式で解くアプリなど、ICTを活用した復習も実践。話す、入力する、調べるなど、学生それぞれの個性に合った方法で楽しく参加できる授業を実践しています。
これらの授業を通じ、「障がい」への理解と支援の方法を考える力が自然と身につくのです。

自身の30年の現場経験とICT技術を組み合わせ、実践的な学びを提供する稲田先生
「なんでだろう?」と考えられる人に来てほしいと思います。好奇心が今は小さくても大丈夫。大学で様々な「こんなこともあるよ」と伝えながら、あなたのやる気スイッチを押し、一緒に好奇心を育んでいきます。

「30年にわたる支援学校での経験を生かし、次世代の教育者を育てています」
専門:特別支援教育、教育工学、アシスティブ・テクノロジー(支援技術)
会津高校を卒業後、帝京大学へ進学し、中学校・高等学校の国語教員免許、特別支援学校教員免許を取得。以来約30年にわたり福島県立特別支援学校などの教員を務め、また、Apple社やGoogle社、Microsoft社やLoiLo社等とタッグを組んでタブレット端末や視線入力などのアシスティブ・テクノロジーを活用した指導に取り組む。2026年4月より郡山女子大学に着任。
※この画面の情報は、すべて取材した時点でのものになります。



