小学校の理科授業において、児童の好奇心を刺激し、学習意欲を引き出す教育指導についての研究に取り組んでいます。子どもたち自身が主体的かつ能動的に学ぼうとする授業を作ることができる、そんな小学校教員を育てたいですね。そのためには、学生一人ひとりが個別で知識を深めるだけではいけません。模擬授業後に上級生や同じ学年の仲間と「あの時、児童はこう受けとめたのではないか?」「別の言い方があったのではないか?」といったように、振り返りながら意見交換を行うことが重要です。これを「省察(リフレクション)」と位置づけます。この省察には、オランダの教員養成大学視察から得たコーチングの手法が有効です。オランダの教員養成大学の取り組みに習い、日本の教員養成課程にこの手法も導入できるよう、工夫や方法等を考察しています。
理科は好き、理系は苦手―。そんな学生も少なくない中、谷先生の授業は誰もが楽しく学べると評判だ。「私のゼミは、小学校理科の追体験からスタートします。ヒマワリやアサガオなどの観察を行う。アゲハ蝶の卵から青虫が生まれ、サナギになって羽化するまでを見守る。これらを通して自分が小学生の時はどう感じていたか。もっと別の見方や考え方はできないだろうかと思いを巡らせます。」様々な観察・実験を通して、問題意識を高く保ちながら学びを深めていける。学年を越えたペアで取り組むことも多く、お互いに学びあえることも魅力だ。
小学校で使用されている全ての理科教科書を参考に指導計画を策定しています。授業に用いる器具や設備は十分に用意されており、「こんな実験がしたい!」といった学生のリクエストで購入に至ったケースもあります。
京都教育大学教育学部理学科卒業。京都府長岡京市・向日市・乙訓郡大山崎町にて小学校教員として勤務。京都教育大学大学院教育学研究科教科教育専攻理科教育専修(修士課程)修了 教育学修士。2018年4月、大谷大学教育学部着任(2024年3月まで在職)。「小学校教師として約37年間勤めた経験から得た知見をすべて教えたいと思います」。長岡京市主催星空観察会にて、市民向け星空案内講師を担当。