私の専門は、保育学と幼児教育学です。保育士や幼稚園教諭を目指す学生に向けて授業を行っています。研究テーマはいくつかありますが、そのなかの一つが保育者養成について。どのような資質をもつ人が、保育者に向いているのか。どのように指導すれば、優秀な保育者が育つのか、ということを研究しています。指導において特に重視しているのは、授業や課題、実習などを「楽しんでほしい」ということです。保育や幼児教育では、子どもが新しい知識を得ること、学ぶことの楽しさに気づかせてあげることが大切です。そのような仕事を志す人として、まずは自分自身が、学ぶことを楽しんでほしいと思っています。もちろん、勉学に対する真面目さや、真摯な姿勢は大切ですが、楽しんでこそ良質な学びを継続できると信じています。
保育園での指導を想定して、学生がチームごとに指導案を書き、子ども役の学生に向かって、自作教材を使って指導する──。これは富岡先生が担当する『保育内容総論II』の授業。学生が指導を終えると、学生同士で意見が交わされ、先生がアドバイスする。「指導対象が5歳児の想定だとすると、“ハサミを人に向けてはいけない”と言うと、それを実行したくなる子もいます。“切れると痛いよ”と指導する方が良いでしょう」と富岡先生。保育の現場を見据えて行われる授業は、とても実践的。保育現場の臨場感も味わえる授業だ。
児童の成長を間近で見守ることができることが、保育士や幼稚園教諭のやりがい。成長の瞬間に立ち会えたときには、大きな感動を味わえます。その分責任も伴う仕事ですが、目指したい人はぜひ一緒にがんばりましょう。
専門分野:保育学、幼児教育学。臨床発達心理士、保育士。専門学校教員を経て、帝京科学大学教育人間科学部幼児保育学科の教授に就任。『基礎ゼミ』『保育原理』『保育内容総論II』『保育所実習指導』ほかの授業を担当。「生きてきた過程や、それによって身につけた素養などは仕事に反映されます。社会に出る前に、本気で打ち込めるもの、心から楽しいと思えるものを見つけてください。それが自分自身を高める糧になります」