妊娠して子供を産むというしくみは、実は未知なことでいっぱいです。内分泌薬理学教室では、妊娠成立時に体内でどんな物質がどう働くのかを明らかにしつつ、不妊症や妊娠関連の疾患(妊娠高血圧症候群など)の原因を探求しています。薬の標的となる体内分子を見つけ出し、妊娠、出産に関連した疾患や不妊を改善できる新しい薬の開発に繋げます。特に、子宮内膜症の病巣でみられる慢性炎症や線維化に関わる異常分子の機能に注目して研究を行っています。
近年、生殖補助医療の発展はめざましいものがありますが、妊娠率向上はまだ十分ではありません。それは妊娠のしくみ、特に母体側のしくみが詳細に解明されていないためです。同教室では、未知の妊娠メカニズムの解明とそれに関わる病気の改善を目指しています。4~6年生の学生(実験コース)は、講義・演習や実務実習のない時間・期間に、個々の研究テーマの実験や情報収集(論文読解など)に勤しんでいます。毎週一回の教室ゼミでは活発な討論が行われ、ときには体力づくりやストレス解消に役立つ催しが企画されています。
女性特有の病気(月経困難症、乳がん、子宮内膜症、更年期障害など)は多く、社会の活力を低下させています。女性の健康をサポートできる薬学研究者・薬剤師としての活躍するために、私たちと一緒に研究しませんか?
専門:内分泌薬理、妊娠・不妊、生殖医療、治療標的探索
略歴:1985年東京薬科大学を卒業し、1993年東京医科歯科大学(※)医学研究科博士課程を修了した。約2年間の米国カンザス大学(博士研究員)を経て、1995年に東京薬科大学助手として帰国。2019年より、東京薬科大学 内分泌薬理学教室教授として、現在に至る。※東京科学大学 2024年10月より名称変更