調理師としての身構え・気構え・心構えを学んだら、2年次の秋からは「卒業制作」が始まります。それまでの授業では講師が考えたメニューを作りますが、卒業制作では学生自身がコース料理のコンセプトやメニューを考案。外部から招いたシェフに試食していただき、プロ目線でのアドバイスを受けます。卒業制作は10人程度のグループで行い、メニュー作りや盛り付けなどさまざまな面でアイデアを出し合います。このチームワークこそが、実は授業で大切にしていること。多くのお客様に食事を提供するホテルやレストランの現場では円滑なチームワークが不可欠で、伝達にミスがあると全体のオペレーションに影響が出てしまいます。そうしたことが起こらないよう、料理を通じてどう人間関係を築いていくか、私自身の経験を踏まえて学生たちに伝えています。
2年生の西洋料理実習を担当している泉田先生。1年次の実習で基礎を身につけた後、2年次からはプロの現場でも使えるテクニックを磨いていきます。卒業制作と並行して行われる通常の実習では、実践的なテクニックを次々にレクチャー。「新しい調理法や斬新な盛り付けなどが登場し、料理の世界は常に進化しています。技術だけでなく、こうした面白さも知ってもらいたいですね」と語ります。また、泉田先生は調理師科2年生の担任を務め、就職活動もサポート。離職率をチェックするなど、卒業生が安心して働けるよう配慮を重ねています。
「食」という人間の喜びの一つに携われる仕事は、時代が変わっても必要とされます。ここ2年ほど大変だった飲食業界ですが、食は人と人をつなぐ大切な絆で、それに従事する調理師はやりがいのある仕事だと思います。
専門:西洋料理
略歴:飲食店でのアルバイトの際、まかないのおいしさに感動して調理に興味を持ち、本格的に調理を学ぶことを決意。学生時代は西洋料理を学んだほか、スイス料理や無国籍料理の店舗で調理を経験し、知識と経験を深めた。卒業後は、ホテルのバンケットレストランで長年にわたって活躍。