ICT技術の発展と普及に伴い、私たちの社会では膨大なデータ(いわゆるビッグデータ)が日々蓄積されるようになりました。例えば、コンビニエンスストアで買い物をしても、ICカードで駅の改札を通っても、必ず新しいデータが作られ、それはデータベースに蓄積されます。データは、単に蓄積されているだけでは「いつ誰がどこで何を買ったか」「いつ誰がどの駅の改札を通ったか」というようなただの「小さな事実」にすぎません。しかし、それを大量に集め、さまざまな分析を行えば、私たちの社会を豊かにする価値あるものに変わります。私の研究テーマは、そのような新たな分析手法を構築することです。特に近年は情報推薦技術や、時空間データを対象とした近傍検索技術などの研究に取り組んでいます。
ゼミではまず、データ分析を行うためのデータサイエンスの代表的な手法や実際にデータを分析するために必要となるプログラミングテクニックなど、基礎的なスキルを学修します。その後、それぞれの学生が独自にどのようなテーマに取り組むかを検討します。
一例として「特定のテーマパークにおける曜日、天気、気温、季節、イベント開催状況等の過去データから、今後の入場者数を予測する」というテーマに取り組んだ学生がいました。予測に必要なデータを収集し、ゼミで学習した分析方法やプログラミングテクニックを用いて分析を進めます。
将来どんな業界でどんな職業に就くことになったとしても、必ず何らかのデータを仕事で扱うことになります。ぜひさまざまなデータ分析の手法を学んで、「データの力を活かせる人」になりましょう。
専門分野:データサイエンス、データ工学、データベースシステム/最終学歴・学位:筑波大学大学院・博士(工学)/現在は白鴎大学経営学研究科長・教授を務める。授業では、身近な題材やわかりやすい資料等を用いて丁寧に教えることを心がけているそう。学生からの質問にも気さくに答える古瀬先生は、学生からの信頼も厚い。「データサイエンススキルはどの仕事でも必要となるスキルの一つ」と語る。