
エビ養殖を主要産業とするベトナム・ティエンザン省で、バイオマス廃棄物を活用したグリーン電力を軸とするエビ養殖技術開発のプロジェクトに取り組んでいます。養殖池の汚泥をメタン発酵に利用して得られたバイオガスを燃料電池に供給すれば、廃棄物処理とエネルギーの安定供給の両方を叶えられる、つまり廃棄物を出さないエビ養殖を実現できるだろうというのがプロジェクトのはじめのアイデアです。実現のため、JICAと連携する研究支援制度「地球規模課題対応国際科学技術協力」に応募し、企業とも連携。スタートから約10年が経ち、周辺の農業残渣と養殖池の汚泥をかけ合わせてメタン発酵させ、バイオガスを製造するという手法にたどり着きました。今後は社会実装に向けて、日本とベトナムの研究機関・民間企業から技術支援を受けて進んでいきます。

ベトナムからの留学生に出会い、エビ養殖が抱える環境課題を知ったことが研究の始まりでした
ベトナムの循環型システムの技術開発には、研究室の学生も関わります。「燃料電池を導入した循環型システムをベトナムに実際に構築した背景には、学生に日々取り組んでいる研究が社会でどう使われているかを直接見せてあげたいという教育者としての想いもありました。そのためにも『このシステムのここに私たちの技術が使われているんだ』と実感できるシステムを実現させたいですね」と白鳥教授。今後も学生と共に現地で課題を掴み、プロジェクトが軌道に乗るように研究を発展させていくと言います。

今後はシステムの事業化に向けて、現地の人々に“使ってもらえる技術”に仕上げる段階へ
社会貢献という大きな目標を大切にしてください。さまざまな現場で課題を見つけて、解決のために技術を開発する視点と意欲をもってほしいですね。

エネルギー問題解決に役立つ技術を、工学の研究者として生み出したい
「捨てているゴミで何かを生み出せたらいいのに、もったいないな」という子どもの頃の発想が、現在の研究に繋がる原体験に。中学・高校の頃にはすでに研究者の道を志していたそう。社会貢献という大きな目標を持ち、大学院博士過程で燃料電池の研究をスタート。海外での研究員生活を経て、九州大学で教員を務める。「社会に役立つ技術を生み出してこそ、工学の価値がある」という思いから、現在はエネルギー問題に取り組んでいる。
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