「消費」は時代を映し出す鏡であり、企業と消費者の関係性も時代とともに変化し続けてきました。かつては弱い立場だった消費者が、知識や情報発信力を身につけ、近年はSNSにおける「ネガティブくちコミ」をはじめ、消費者の影響力は増す一方です。例えば、サービスの失敗によって発生したトラブルに、企業がどのように対応し、消費者の信頼を回復するかを考えるのがサービス・リカバリー研究です。私はその中でも、老舗企業と消費者が良い関係性を保ち、ともに価値を創る「価値共創」の関係となるか、リカバリーに失敗して「価値共破壊」となるか、そのプロセスの研究に取り組んでいます。消費者行動やマーケティングは、私たち消費者の価値観や生活の理解が必要です。研究を通じて自分自身と向き合うことにもつながる、身近な学問領域なのです。
仁平ゼミナールでは、企業や自治体からの課題にグループで取り組み、商品開発や観光プロモーションなどの企画提案を行います。「まずは自由にのびのびと発想し、その後にコストなどの実現可能性を詳細に調査・検討することで説得力のある提案に仕上げていきます。発想力も行動力も豊かな学生ばかりなので、主体性に委ねながら適宜アドバイスをするようにしています。サービス創造に必要なのはマーケティングの視点です。興味のあることには何でもチャレンジして、センスを磨きながらオリジナリティを身につけてほしいですね」
マーケティング論や消費者行動論は、ファッションや音楽、映画、スポーツなど、自分の好きなものや趣味が研究テーマになりうる学問です。この学びは、あなたのライフスタイルや人生を豊かにするためにも役立ちます。
専門:消費者行動論、マーケティング戦略論、広告論、サービス・マーケティング
2000年明治大学政治経済学部経済学科卒業。2002年明治大学大学院政治経済学研究科政治学専攻(社会学専修)博士前期課程修了、修士(政治学)、2008年明治大学大学院商学研究科商学専攻博士後期課程修了、博士(商学、課程博士)。2016年より千葉商科大学サービス創造学部にて専任講師、准教授を経て、2024年4月教授に着任。