世界には学校にいけない子どもがたくさんいます。ストリートチルドレンの数は1億5000万人とも言われ、日本の人口よりも多いです。ただ、そう聞いてもこの問題に「真剣に関わる」人は僅かです。貧困をなくすには私たちが問題解決のためのプロセスに「参加」することが重要ですが、ただ知っているだけでは参加になりません。なぜ真剣に関わらないかというと、共鳴・共感がなく「感じていない」からです。私は「知ることは、感じることの半分も重要ではない」という言葉を座右の銘に、ただ知識や情報を蓄えるのではなく貧困問題を感じる実践的な学びを重視しています。「国際参加プロジェクト」は、まさに「感じる」学習の場。世界の貧困地域において自ら問題に直面し、その解決のプロセスに「参加」する取り組みになっています。
国際参加プロジェクトは、約2週間の現地実習を含む1年間のプログラム。現地実習ではタイやインドネシア等の貧困地域においてトイレや風呂もない生活を経験します。学生たちはその壮絶さにショックを受けますが、貧困を実際に感じることで実習後の行動が大きく変わってきます。2015年のネパール大震災の時には学生自ら駅前で救援募金を行い、小学校再建への寄付や現地での教育支援活動を実施。こうした活動を通じて問題解決への「参加」をより深く考えるようになり、青年海外協力隊や日本語教員として活躍する卒業生も多いです。
貧困などの社会問題の深刻さを「知っている」と「感じる」では大きな違いがあります。「国際参加プロジェクト」の1年間の活動のなかで「感じる」体験をし、問題解決のために何が必要かを一緒に考えていきましょう。
学生時代に中国に留学。そこでストリートチルドレンの少女と出会ったことをきっかけに、世界の貧困問題を解決する研究と実践に取り組む。「国際協力はまちおこし」という関本先生は、貧困地域の人たちが支え合いながら自ら生活を良くしていけるようにするためには、物資の支援だけではなく地域コミュニティの再生が重要だと考える。そのコミュニティ再生を身近な天理市でも実践し、培った経験を世界で活かしていきたいと話す。