私は現在、カプコンで「モーション」を担当しています。ゲーム内のキャラクターに命を吹き込み、動きをつくる仕事です。やりがいは、自分の作った動きがプレイヤーの体験に直結すること。アクションゲームにおいて、敵の攻撃動作はゲームの難易度や面白さを左右します。以前、ボスキャラクターの制作をメインで担当した際、ユーザーから「強すぎて勝てない!」という反応を多くいただきました。一見厳しい言葉ですが、それは攻略のしがいがある「熱い体験」を提供できた証。プログラマーやプランナーと試行錯誤し、一つの目標に向かって最高の作品を作り上げるプロセスは、ゲーム制作ならではの醍醐味です。
デザイン情報学科では、興味のあることには何でも挑戦しようと、アニメーションからUIデザイン、電子工作まで片っ端から取り組みました。そこで身についたのは、制作物に対して「自分が納得するまでクオリティを追求する姿勢」です。毎日締切に追われながら、退校時間ギリギリまで仲間と机を並べて作業した経験は、今の自分の土台になっています。また、卒業制作展の委員として、バラバラな個性を持つ学生たちの展示を取りまとめた経験も大きかったです。多様な価値観を持つ人たちと協力して一つの空間を作り上げる力は、多くの専門家が集まって開発を行う現在の現場でも、非常に役立っています。

U.Y.さんが担当したプレイ画面(アイルー)の様子
高校生の頃は「これがやりたい!」という明確な目標がなくても大丈夫です。私自身、就活を始めるまで進路に悩んでいましたが、ムサビで多様な表現に触れるうちに、いろいろな人が集まって一つのものを作る「ゲーム業界」の面白さに気づきました。大学選びに迷ったら、まずは実際に足を運んで、そこにいる自分を想像してみてください。やりたいことが一つに絞れなくても、おもしろそうだと思うことにたくさん触れる中で、道は見えてきます。ムサビは、ジャンルを問わず挑戦したい人を後押ししてくれる場所。必死に努力して何かに打ち込んだ経験は、社会に出たときの大きな自信と自負につながるはずです。

ムサビ時代の作品。ジャンルを問わず様々な作品を制作

株式会社カプコン/造形学部 デザイン情報学科/2021年卒業/2021年 武蔵野美術大学 デザイン情報学科卒業。株式会社カプコン勤務。大学時代は「何でもやりたい」という好奇心から、WEBデザイン、イラスト、3DCG映像など多岐にわたる制作に没頭。大学の課題は時に頭を悩ませることもあったが、同じ境遇の仲間と切磋琢磨し、共に完成を目指す時間を全力で楽しんだ。現在はアニメーターとして活躍し、ゲーム内に登場するキャラクターの動きの制作を担当。作品の質を左右する「会社のクオリティライン」を守るため、今もムサビ時代に培った妥協のない姿勢で一つひとつの動きを丁寧につくり込んでいる。
※この画面の情報は、すべて取材した時点でのものになります。