子どもを取り巻く社会環境が大きく変化している現代において新たな発想の保育が必要です。子どもや保護者に向き合い心のケアまでをカバーできる保育の専門家「保育心理士」が今必要とされています。本学では卒業と同時に「保育心理士(二種)」の資格取得が可能で、心と向き合う教育に重点を置き、学生自身の成長へと導きます。もちろん保育士や幼稚園教諭の資格取得は最大の目標ですが、保育の手法だけでなく心理についても学ぶので、子どもが「なぜこういう行動を起こすのか」「その行動の背景にはこんな可能性もある」など様々なシーンに対応できる保育者を育成していくのが、児童福祉・心理コースの特徴です。心理学を学ぶことで、子どもの状態を観察する視点が育ち、子どもの心と体に寄り添う基礎が身に付くと私は考えています。
現役のカウンセラーでもある岡田先生の授業のひとつに、保育者が提案した遊びにうまく入ることができない子どもたちについて、どのように理解すればいいのか、事例を通して学生とともに考えていく授業があります。一般に、そのような子どもは、集団の和を乱す『困った子ども』とみられがちです。しかし、その『困った子ども』は、保育者を困らせようとしているのではありません。『その遊びだと僕は入れないよ』というSOSを出している『困っている子ども』だと理解し、何にどう困っているのか、様々な視点から考えることが大切です。
子ども側から保育を捉える姿勢や、子どもを様々な角度から理解するために必要な知識を身に付けられることから、保育心理士養成課程の授業は、すでに現場で働いている保育者の方も多く学びに来られています。
担当専門科目:保育心理学。九州大学大学院で臨床心理学を学び、児童相談所相談員やスクールカウンセラーとして勤務。現在は、精神科クリニックカウンセラーや子どもと保育研究所講師などを兼任するかたわら、九州大谷短期大学の准教授として活躍。保育心理士としての子どもの心理に関する豊富な知識と経験から、セミナーや講演は年間30回を超える。趣味はオフロードバイクとラーメンの食べ歩き。