日本テレビ系列のヘアメイク会社を経て、現在はフリーのヘアメイクアーティストとしてTVドラマや映画、CMの制作に携わっています。それぞれの役柄やシーンに合わせたメイクを手早く的確に仕上げていくことが求められるのですが、そこに自分なりの工夫を加えることも大切です。また、俳優さんの心身の状態を察してコミュニケーションの取り方を変えながら、現場の雰囲気を少しでも和やかにしたいというのが私のこだわり。そういう中から信頼関係が生まれ、俳優さんから指名されて仕事の依頼をいただくことが多く、それ自体が光栄なのですが、さらに、自分が関わった作品を多くの方に楽しんでいただけることに喜びとやりがいを感じています。
「始業前の朝練、授業、そして放課後の自主練が繰り返される日々…」と言うと過酷な学生時代だったと思われるかもしれませんが、実際はとても楽しい2年間でした。それは、目標に向かって一緒に頑張る仲間や面倒見の良い先輩たち、そんな学生を親身に指導してくれる先生方に囲まれていたからですし、私を本気にさせる仕組みがKANBIにあったからです。毎月、公表されるテストのランキングを上げようと練習に励み、少しでも上がれば嬉しくなって、“よしっ!もっと頑張ろう”という気になります。そして気がつくと一歩も二歩もプロに近づいている。そんな風に自分の好きなこと、得意なことを追求できた2年間が楽しくないはずがありません。
私は入学前からヘアメイクアーティストになるという目標を持ち、勉強にも真面目に取り組んだつもりです。目標があれば頑張れるというのは確かだと思いますが、それに固執しすぎる必要はないと思っています。勉強中あるいは社会に出てからでも転機は訪れます。大切なのはチャンスをつかむ準備をしておくこと。KANBIには幅広い選択科目が用意されているので自分で気づいていない可能性に出会えるかもしれません。そして、例えばヘアメイクに興味を持ったら、その興味を目標に育てていってください。ただ、ヘアメイクの世界は思っているほど華やかな世界ではなく、体力、精神力、覚悟が必要だということは先輩として断言しておきます(笑)。
ヘアメイクアーティスト(フリーランス)/美容学科 卒/2009年卒/小学生の頃から髪型をアレンジする楽しさに目覚め、毎日、ヘアスタイルを変えて通学していたという岩根さん。卒業文集にも「将来の目標はヘアメイクアーティストになること」とキッパリ書いていた。KANBIに進学したのは「カットの確かな知識・技術はヘアメイクにも生かせる」と考えたから。同校卒業後は東京の有名サロン『RITZ』勤務を経て、日本テレビ系列のヘアメイク会社『株式会社スタジオまむ』に入社。2020年に独立。若手俳優からの信頼も厚く、現在はフリーのヘアメイクアーティストとして、TVドラマ、CM、映画などの撮影現場で活躍している。大阪市出身。