京都で建築士として住宅や店舗の設計に携わっています。建物をつくるには、たくさんの人が関わりますが、唯一、設計を行う建築士だけが、最初から最後まで施主さまと関わることになります。施主さまの思いを形にするところから始まり、完成した建物を引渡しするまでが建築士の仕事(メンテナンスも含めれば、おつきあいは完成後も続きます)。引渡しの際に施主さまと、出会いからのことを思い出しながら話す楽しいひとときほど、幸せな時間はありません。関わったたくさんの人を代表して、施主さまから「ありがとう」と言われるのは、建築士の役得ですね。
KASDでは建築の基礎はもちろん、実践で役立つ知識をしっかり教えていただきました。そのおかげで、卒業後に勤めた工務店では即戦力として働くことができました。KASD在校中に二級建築士の資格を取得していたのも大きかったと思います。社会人になって、働きながら資格を取る大変さをあらためて実感できたのですが、私は二級建築士を取得していた分、仕事に集中できたので、成長も早かったと思います。
現在は、和風住宅の設計を得意としています。それは、京都という土地を意識しているからです。最初の就職先で施工管理の現場経験を通して、耐久性を考えると建物を建てる土地の気候風土や文化に合ったものが一番良いということを学びました。和風住宅を得意としているのは、京都という立地に最もふさわしい建築を考えれば、やはり和風が良いということになるからです。私の夢は、海外も含め、さまざまな土地で設計と向き合うこと。それぞれの土地の歴史と文化、気候を学ぶところから始めて、楽しみながら設計に取り組めたら最高ですね。
HARU建築設計室 一級建築士事務所 代表/建築科/2007年3月卒/KASD在学中に二級建築士取得。卒業後、工務店に勤務し、主に施工管理の仕事を中心に経験を積む。一級建築士資格を取得した後、独立。京都市内に「HARU建築設計室 一級建築士事務所」を設立し、地域の文化、気候風土に合った建築をモットーに活躍中。