観光とは「古くて新しいテーマ」。歴史を紐解くと、私たちが生まれるよりもずっと以前から人々は目的をもってその土地を訪れ、素晴らしい眺望や文化を味わい、旅を楽しんできました。“旅の楽しさ”とは何でしょうか。観光はまだまだ学術的に完成された分野ではありません。逆を言えば、“探究する喜び”をとことん味わえる分野でもあるのです。他方、少子高齢化の進行に伴い人流や経済の中心は都市部に移り、地方の人口も減りつつあります。しかし、高齢化や人口の減少は必ずしも衰退に直結するものではありません。定住人口の減を交流人口の増で経済を賄うことは、日本の国策の一つでもあります。この「交流人口の増による経済活性」こそが観光。まさに本格的な観光の時代がやってきました。学術と実践の両輪で学び、観光を深く広く追究しましょう。
島田准教授の実務家としての経験を活かし、臨地実務実習における事前・事後指導をはじめ、ホテルやサービスエリアといった観光関連施設でのフィールドワークなども担当しています。また、せとうち観光専門職短期大学の校舎が元はホールや会議室、宿泊施設を備えた複合施設であった特長を活用し、電気・空調・消防設備をはじめボイラーや給排水施設なども「生きた教材」として用いています。学生指導において准教授が大切にしていることは「“伝えたい”という気持ち」。一人ひとりとの対話を重視し、強みを伸ばす関わりを心がけています。
観光を事業として捉えた時「正解」の施策はありません。なぜなら「正解」はすべての人の中に、無数に存在するからです。そんな「観光」を理論と実践の両面から学び、多様なニーズに応える力を身につけましょう。
専門分野/ホテル経営・運営、CS/ES(顧客・従業員満足)、ホスピタリティ
略歴/1985年、立教大学 社会学部観光学科を卒業後、全日空エンタプライズ株式会社で首都圏・近畿圏各所の全日空ホテルでホテリエを務める。その後株式会社ジェイアール四国ホテル開発、穴吹エンタープライズ株式会社などでホテル事業に携わった。実務家教員として実習指導をはじめ、今後は観光業におけるホスピタリティ、宿泊産業論などの授業も担当する。