子どもに関わる仕事8選!保育士、幼稚園教諭、心理士etc.必要な資格と仕事内容を解説
保育士、幼稚園教諭をはじめとする子どもに関わる仕事は、「子どもが好き!」という高校生にとっては魅力的な進路の一つ。その一方で、乳幼児期の心と体の成長を支援するための高い専門性も必要とされるので、プロフェッショナルとしてのやりがいも十分。
子どもの保育や教育への関心が高まるなか、注目の職種、活躍の場を紹介しよう!
目次
子どもに関わる仕事とは
保育士・幼稚園教諭・ベビーシッター・幼児教室講師など、乳幼児の保育や教育に携わる職種のほか、子どもの心の発達に関する問題や保護者の育児中の悩みに寄り添う臨床心理士、玩具の商品開発、児童書の編集者・作家まで、子どもに関わる仕事は数多い。
どんな仕事をしているのか、どんな場所で働くのか、それぞれ詳しく見ていこう。
1.保育士
乳幼児の保育を行うスペシャリスト。国家資格が必須。
保育や教育、社会福祉に関する理論、子どもの心理、健康、病気、食と栄養、子育て支援の考え方や方法などに関する幅広い知識・専門性が求められる仕事だ。
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0歳児から小学校就学前までの子どもを保育する施設。
設置基準を満たして国や自治体の認可を受けた認可保育所は、公立・私立を問わず公費で運営されている。
このほか、東京都独自の認証保育所や、民間や個人が運営する認可外保育施設がある。
2.幼稚園教諭
幼稚園の先生として働くためには、大学または短大・専門学校等の養成課程を卒業して幼稚園教諭の免許を取得することが必要。免許には二種(短大・専門学校卒業)、一種(大学卒業)、専修(大学院修了)の3種類がある。
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満3歳から小学校就学前までの子どもを教育する施設。
保育所が7時から19時くらいまで子どもを預かるのに対して、幼稚園は9時から14時くらいまで。
共働き家庭のニーズに合わせて、14時以降、18時くらいまでの預かり保育を実施する幼稚園も増加。
※認定こども園の増加とともに、幼稚園教諭免許と保育士資格のW取得を目指せる学校も増えている
3.ベビーシッター
保護者が外出している間、依頼者の家で子どもの世話をする仕事。ベビーシッターの派遣会社に登録し、顧客からの要請に応じて訪問するのが一般的。
認定ベビーシッターなどの民間資格はあるが必須ではない。
4.臨床心理士
臨床心理士は子どもからお年寄りまでの幅広い心の問題に関する専門家。指定大学院か専門職大学院を修了し、資格試験に合格すると名乗ることができる。
一方、内容が似ている公認心理師という新たな国家資格も登場し、注目されている。
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子どもの心の発達に関する問題や育児中の保護者の悩みなどに対応するため、子どもや保護者を対象にしたカウンセリングルームも増えている。
保育士資格をもつ臨床心理士などが専門知識を活かしてカウンセリングする。
5.幼児教育講師
幼児教育熱が高まるなか、知育、外国語、運動など多様な種類の幼児教育が登場し、利用者も増えている。先生にはそれぞれの分野に応じた専門性が求められるが、保育士や幼稚園教諭のような必須の資格はない。
6.児童書編集者
幼児向けの絵本や児童文学書などの編集者。子どもがどんな本を読みたいか、保護者がどんな本を読ませたいかを考え、教育的な要素やエンターテインメント的な要素のバランスを考えて企画を立て、作家と一緒に本を作る。
7.児童書作家
絵本や児童文学書の作家。絵本の場合は、絵と文章で別々の作家が担当することも多いが、一人で両方担当する作家も。
児童文学を専門的に学べる大学の学科や専攻もあるほか、児童書作家を養成する民間の講座も。
※生活の中で触れる絵本や児童書を通して、子どもたちは想像力・感受性を豊かに育んでいく
8.玩具メーカー商品の企画・開発
玩具メーカーなどで、乳幼児期の子どもが遊ぶおもちゃを企画する仕事。子どもは遊びを通して知能や創造力が発達するので、知育のためのおもちゃなどが数多く企画・開発されている。
安全性への配慮も非常に大切。
保育所だけじゃない!保育士の活躍の場
保育士の就職先の中心は一般の保育所だが、そのほかにも児童福祉施設や企業内・商業施設内の託児施設など活躍の場は幅広い。また、夜間に子どもを預かるベビーホテルなど、仕事をもつ保護者を支える保育サービスは拡大傾向で、保育士へのニーズは広がっている。
認定こども園
幼児教育を行う幼稚園と保育を行う保育所の機能を併せもつ施設。働くには原則として幼稚園教諭と保育士の両方の資格が求められる。
園数は全国で急速に増えており、2021年4月には全国で8500を超えている。
児童福祉施設
保護者のいない子どもや虐待されていた子どもなどが入所し生活する児童養護施設、知的障がいを抱えた子どもを支援する知的障がい児施設など。生活指導を担当する児童指導員のほか、保育士も数多く働いている。
企業等の託児施設
最近では、子育て中の社員・職員のために、勤務時間中に子どもを預けることができる託児施設を設ける企業、病院、福祉施設なども増加。認可外保育施設の一種で、保育士の新たな活躍の場となっている。
商業施設・ホテル等の託児施設
子ども連れで買い物や宿泊に訪れた顧客へのサービスとして、子どもを預かる託児施設を設ける商業施設・ホテルなども増えている。顧客が安心して子どもを任せられるよう、専門家である保育士を配置していることが多い。
※企業内保育所や商業施設内など保育士の活躍の場&ニーズはますます多彩に。働き方も多様化している
子どもに関わる仕事の最新事情
保育・教育の次なる課題は「質」の向上。長時間保育による負担増大も問題に
共働き家庭の増加に伴う、待機児童の解消に向けた保育・幼児教育の「量」の拡大が進められていることに加えて、2020年からスタートした教育改革を受け、保育活動・園の教育の「質」の向上が求められるように。障がいにより特別な支援を必要とする園児も増加するなど、多様な子どもの受け入れのための「保育者の資質の維持・向上」が最重要課題となっている。
また、保育所・幼稚園ともに保育時間が長時間化するなかで、教職員の負担増大や人員確保の難しさも現場からの声として挙がっており、保育士不足は引き続き、深刻な社会問題となっている。
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コンテンツ提供/ リクルート進学総研『キャリアガイダンス』
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取材・文/伊藤敬太郎(原文)、ミューズ・コミュニティー(2022年3月、一部更新)
イラスト/桔川 伸
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