Webライターとは?仕事内容と年収。向いている人は?どうしたらなれる?気になるギモンも解説
Webライターとは、インターネット上で公開されるさまざまな文章コンテンツを執筆する人のことだ。在宅ワーカーやフリーランスも多く、柔軟な働き方ができる職業としても注目を集めている。
デジタル社会の発展とともに需要が高まっており、文章力だけでなく、幅広い知識を活かせる新しい職業であるWebライター。
高校生の君たちがWebライターを目指すために必要な情報を全てお届けしよう!
目次
佐々木ゴウさん
約1000名の会員を擁するWebライター育成オンラインサロン「ライター組合」代表。
早稲田大学法学部卒業後、大手通信会社とIT系ベンチャーに勤務しながら副業でWebライターを始め、独立。
Webコンテンツ制作を行う株式会社Raikumiと、導入事例の取材・制作を行うdouco株式会社を設立後、M&AによりPXC株式会社に参画し、デジタルマーケティングの総合支援に取り組む。
著書『デジタル時代の実践スキル Webライティング 読者が離脱しない、共感&行動を呼ぶための最強メソッド』(翔泳社)、『未経験から副業・起業で稼ぐ AI時代のWebライター1年目の教科書』(日本能率協会マネジメントセンター)
Webライターとは?
Webライターとは、インターネット上で公開されるさまざまな文章コンテンツを執筆する専門家だ。主な仕事は、企業のWebサイト、ブログ記事、商品説明、SNS投稿、動画のシナリオなど、オンライン上で使用される文章全般を作成する。
文章コンテンツを執筆する人全般をライターといい、なかでもデジタルに特化しているライターをWebライターという。
企業PR、商品紹介、ハウツー記事(方法や手順を説明書のように紹介する記事のこと)、インタビューなど幅広いジャンルの記事を書く。
Webライターは、デジタル時代の情報発信に欠かせない存在なのだ。
続いてはその仕事内容を詳しく見てみよう。
Webライターの仕事内容は?
Webライターの仕事内容には、インターネット上で公開されている文章コンテンツを執筆することすべてが含まれる。大きく分けると下記のようなジャンルに分類できる。
2. 商品説明文やPR文の作成(セールスライティング)
3. SNS投稿用の文章やYouTubeの台本作成(SNS運用代行)
依頼主であるクライアントとの打ち合わせや企画会議への参加、記事のテーマに関するリサーチや取材、記事に使う画像選びやデザインの提案、書いた記事の効果測定とその分析などがその一例だ。
Webライターの仕事内容について、佐々木さんに一連の流れを教えてもらった。
ライティングの前後工程に関わる場合には、その記事が何のために作られるのかという企画会議から参加することも。
誰に読んでほしいのか、その記事を読んでもらった読者にどうしてほしいのか、検索されるならどんなキーワードで検索されたいのかなど、文章の依頼主であるクライアントと一緒に考えます。
その後、目的を達成するためには、どんな内容がいいかリサーチをします。
「構成案」という骨組みを作り、クライアントや編集者とやり取りしながら修正を重ね、実際の執筆に入ります。
さらに、執筆後にはクライアントからフィードバックを受け、最終的な調整を行います。
場合によっては、記事がどのような効果を生んだかの測定まで行うこともあります。
どの工程をどこまで担当するかは、Webライターによって違いますが、Webライターの仕事は企画からリサーチ、執筆、そして効果測定まで、幅広い業務を含んでいるんです。
(佐々木さん)
SEOライティング
SEOは「Search Engine Optimization」の略で、日本語で言うと「検索エンジン最適化」。インターネット上で人々にウェブサイトを見つけてもらいやすくする方法だ。
ウェブサイトの内容をGoogleなどの検索エンジンが理解しやすいように工夫する。
こうすると、人々が関連するキーワードで検索したとき、サイトが検索結果の上の方に表示されやすくなり、その結果、伝えたい情報を多くの人に届けられる。
簡単に言えば、SEOは「インターネットで自分のサイトを目立たせる技術」だ。
ライターが取り組む「SEOライティング」は、企業のウェブサイトへの訪問者を増やし、見込み客との接点を増やすことが目的。
検索エンジンで上位に表示されるような文章を書くため、適切な言葉を使ったり、わかりやすい構成にしたり工夫する。
もちろん、読者にとって価値ある情報を提供することが最も大事なのだが、それと同時に、検索エンジンにも評価され、検索時に上位に表示されるような記事を作ることも重要な点なのだ。
ただし、競争が激しい分野であること、またSEOの動向が検索エンジンの仕組みが頻繁に変更されることから、常に勉強し続けることが必要です。(佐々木さん)
多くの企業がこのスキルを持つライターを求めている。
取材ライティング
取材ライティングは、人、物事、場所などを直接取材し、その情報や印象を記事にまとめる仕事。取材対象者の魅力や、イベントの臨場感を、余すところなく読者に伝え、読者をひきつけることが重要だ。
読者の興味を引くトピックや、取材相手の魅力が詰まったエピソードを聞き出す能力、さまざまな角度から物事を見る力、話を聞く相手との信頼関係を築くことなど高いスキルが求められます。
とはいえ、記事を書くのであれば、基本的には「取材をして書く」という流れがいいと思いますね。 (佐々木さん)
セールスライティング
セールスライティングとは、商品やサービスの販売を促進することを目的とした文章を書く技術。そのためには、商品やサービスの客層への深い理解をはじめ、商品の特徴だけでなく顧客にとって「買ったらどんないいことがあるか」というメリットを明確に伝えること、印象的なキャッチコピーや効果的な見出しを作成する能力などが求められます。
商品やサービスの売上に直結する重要な仕事であるため、クライアントからの期待やプレッシャーも大きいですが、その分やりがいを感じられる分野です。(佐々木さん)
SNS運用代行
SNS運用代行は、企業や個人に代わってSNSアカウントの管理や投稿を行う仕事。若い世代のWebライターにとって取り組みやすい分野の一つと言える。
個人でのSNS使用は慣れていても、企業アカウントの運用では求められるスキルが異なるため、プロとしての意識と学習が必要です。
X(旧Twitter)、Instagram、Facebookなど各SNSの特性を理解して、それぞれにぴったりの内容を発信することや、定期的に魅力的な投稿を行うための企画力とアイデア力、短文で魅力的に伝えるSNS特有の文章力、投稿の反応を分析して継続的に改善していく能力など、幅広い力が求められます。
また、求められる範囲によってはフォロワーとの対話やコメント対応など、コミュニケーション力も必要ですね。(佐々木さん)
SNSが好きで企業や商品のブランディングに興味がある人にはうってつけの仕事だ。
Webライターの働き方は?
Webライターの働き方は、大きく分けて2つのパターンがある。1つは企業に所属して働く方法、もう1つはフリーランスとして独立して働く方法だ。
Webライターの働き方は人それぞれ。
安定性を求めるなら企業所属、自由度を重視するならフリーランス、どちらを選ぶにしても、それぞれにメリット・デメリットがあるので、自分の目標やライフスタイルに合わせて選択することが大切だ。
それでは、企業で働く場合とフリーランスで働く場合の具体的な特徴をみていこう。
企業で働く
企業に所属してWebライターとして働く場合、主に出版社、Webサイトの制作会社、広告代理店などに就職するケースが多い。特に未経験者にとっては、体系的な研修やマニュアルが整っている環境で、一から学べることが大きなメリット。
先輩ライターからの指導や、業界の最新トレンドを学ぶ機会も豊富です。
収入面では、月給制や時給制で安定した収入が得られ、社会保険や有給休暇など福利厚生が整っています。(佐々木さん)
上司や会社の方針を無視することはできないため、ある程度自由度が限られることも。
さらに、近年の「働き方改革」などにより、残業時間が制限されるなど働く時間に制約がある場合も多く、どこまでも収入を伸ばすといったイメージはしにくいでしょう。(佐々木さん)
安定性を重視する人や、チームでの協力を好む人にも適していそう。
フリーランスで働く
フリーランスのWebライターは、企業や個人から直接仕事を受注し、作り上げた成果物を納品する形で仕事をする。自分で仕事や相手を選べるので、興味のある分野の仕事を積極的に受けたり、逆にそうではない仕事を控えたりする選択ができます。
また、働く時間や場所も自分で決められます。
家事や育児と両立したい人、副業として始めたい人にとってこの柔軟性は大きな魅力。
また、スキルと実績に応じて報酬が上がっていくので、上限なく収入を伸ばせる可能性があります。(佐々木さん)
特に仕事を始めたばかりの頃は、仕事の量や報酬が安定しない場合も多いので注意しましょう。
また、仕事を獲得するための営業活動や、納税額を計算する確定申告など、ライティング以外の業務もこなさなくてはいけません。(佐々木さん)
企業で経験を積んでからフリーランスに移行するのも一つの有効な戦略だ。
また、安定性と自由度の両方を得られる方法として、企業に所属しながら副業でフリーランスの仕事をするというハイブリッドな働き方も増えている。
Webライターの年収は?
佐々木さんによると、Webライターの年収は、ある程度経験を積んだフリーランスWebライターの場合で、月収30~50万円を安定的に稼ぐ人が多いとのこと。ただし、働き方や経験、スキルレベルによって大きく幅があるのが実情だ。
企業に所属する場合、初任給は年収300万円くらいから始まることが多いですね。
一方、フリーランスの場合は、最初は低単価の仕事から実績を積むこともあり、時給換算すると200円や300円になることも。
経験を積んでスキルアップすると、月収30~50万円くらいが多いと感じます。
かなりスキルと経験を積んだ場合、月収100万円を超える人も多くいます。(佐々木さん)
月収30~50万円くらいが多いのは、いったんそこで仕事と生活の調和を図る「ワーク・ライフ・バランス」を取る人が多いからでしょう。
もっと稼ぎたい人は、さらに仕事量を増やし、より高単価の案件にチャレンジします。
フリーランスの働き方は自由ですから、頑張った分だけ収入は青天井です。(佐々木さん)
クライアントとの信頼関係を築き、長期的な取引につなげることが重要です。(佐々木さん)
Webライターに必要なスキルは?
Webライターに求められるスキルとして文章力は大前提だ。さらに情報をリサーチして読者に分かりやすく伝える力、Webの特性を理解した上で効果的に文章を書く能力、クライアントとのコミュニケーション能力など、多岐にわたるスキルが求められる。
それでは、これらのスキルについて、さらに詳しくみていこう。
基本的なライティングスキルとリサーチ力
Webライターの基本は、やはり文章力だ。佐々木さんは、Webならではのライティングスキルとリサーチ力の重要性について、こう語る。
また、良質な記事を書くためには、徹底的なリサーチが欠かせません。
例えば、製品について書く場合、その特徴だけでなく、ライバルとなる競合製品との比較や実際のユーザーの声なども調べます。
聞き取りをして、関係者しか知らない情報を入手できたらしめたもの。
読者が本当に知りたい情報をとことん提供することで、記事に価値が生まれるのです。(佐々木さん)
SEOとマーケティングの知識
「Webライターにとって、記事を上位表示させるSEOと、市場の顧客のニーズを把握し、そのニーズに応えて商品やサービスを提供するマーケティングは重要科目」と佐々木さん。ですから、WebライターがSEO戦略を知ったうえで文章を書くことは非常に大切です。
また、市場の顧客の動向を見るマーケティングの視点があると、単に情報を伝えるだけでなく、読者の行動を促す文章が書けるようになります。(佐々木さん)
ビジネススキルとコミュニケーション能力
Webライターには、クライアントとの良い関係の構築、締め切りの厳守、効率的な作業など、ビジネスパーソンとしての能力も求められる。特に、締め切りを守ることは、プロのライターとして最も基本的なこと。
フリーランスの場合は、自身で仕事を管理し、クライアントとコミュニケーションを取る必要があるため、これらのスキルはとても重要だ。
Webライターに向いている人の特徴は?
Webライターに向いている人とは、文章を書くことが好きな人、好奇心旺盛で新しい情報を吸収することに喜びを感じる人、読者の立場に立って考えられる“おせっかい”な人、そして論理的に物事を考えられる人だ。それでは、これらの特徴について、さらに詳しくみていこう。
文章と情報への強い興味
Webライターの基本的な素質は、やはり文章を書くことへの情熱があること。ただ好きなことを発信するだけでなく、さまざまな情報をわかりやすく伝えることに喜びを感じられることがより大切だ。
読書量の多い人は自然と語彙力が豊富になり表現力も磨かれますし、さまざまな機会で文章を書き続けると、文章力は向上していきます。
Webライターはうってつけの職業と言えるでしょう。
新しい情報に興味を持ち、自分で調べることを楽しめる好奇心と、効率的に必要な情報を見つけ出し整理する能力があれば、さらなる強みとなります。
また見過ごされがちですが、長時間パソコンに向かって作業することを苦に感じないことも重要。
Webライターの仕事では、時に数千字、数万字の長文を書くこともあるので、文章に向き合う根気や体力も欠かせません。(佐々木さん)
自己管理能力とコミュニケーション力
特にフリーランスのWebライターは、自分で全てをマネジメントする。締め切りを守り、クライアントと円滑にコミュニケーションを取ることは、文章を書くスキルと同じくらい重要だ。
また、クライアントの要望を正確に理解して適切に質問したり、進捗を報告したりする気配り力も身につけておきたいですね。(佐々木さん)
論理的な思考力と学び続ける姿勢
複雑な情報を整理し、読者にとって理解しやすい形で提示するWebライター。そのため、話を段階的に組み立てる「論理的思考力」が不可欠だ。
また、常に進化しているWebの世界では、新しい技術やトレンドを学び続ける姿勢も重要。
そのためには、情報の信頼性を考え、広くさまざまな視点から物事を考える習慣をつけるといいでしょう。
論理的思考力は、これから経験を積むにつれ、努力次第で大きく成長させられる力です。
また、AIの進化などによる変化に対応していくため、常に新しい情報をキャッチアップすることも大切。
学ぶことを楽しめる人は、Webライターとして長く活躍できます。(佐々木さん)
Webライターになるには
Webライターになるための道筋はさまざまだが、一般的には以下のようなステップを踏むことが多い。2. SEOやウェブマーケティングの基礎知識を学ぶ
3. 自分のブログやポートフォリオを作成し、文章力をアピールする
4. クラウドソーシングサイトなどで小さな仕事から始める
5. 経験を積みながら、特定の分野での専門性を高める
6. ネットワークを広げ、より良い案件や直接契約の仕事を獲得する
基本スキルの習得とポートフォリオの作成
Webライターとしてのキャリアを始めるには、まず基本的なスキルを身につけ、自分のスキルや経験、実績などをまとめた資料「ポートフォリオ」を作成することから始めよう。とにかくさまざまなジャンルの文章に触れること。
次に、知識のアウトプット兼ポートフォリオとして機能する場として、自分のブログを始めてみては。
興味のあるテーマについて、方法を解説するハウツー記事や、お気に入りの商品を使った感想を書くレビュー記事、ニュースの解説記事など、さまざまなスタイルの記事を書いてみるのです。
このような取り組みをしていると、文章作成に使うWordやGoogleドキュメント、ブログやWordPressといったウェブサイト作成システムなどのデジタルツールの使い方も次第にわかってきて一石二鳥。
大切なのは、この段階で完璧を求めすぎないこと。
まずは多くの文章を書いて経験を積むことに集中しましょう。
周囲に読んでもらってフィードバックをもらい、常に改善を心がけることが上達の秘訣です。(佐々木さん)
仕事を獲得し、経験を積む
基本的なスキルを身につけ、ポートフォリオを作成したら、次は実際に仕事をして経験を積んでいく段階。最初のうちは収入よりも経験を重視することになるでしょう。
この段階では専門性をあまり意識せずに、幅広い仕事にトライしてみること。
多くの仕事を経験することで、自分の強みや弱みが明確になり、今後の方向性が見えてきます。
仕事やプロジェクトを依頼したいクライアントと、その仕事を受託したいワーカーをマッチングする「クラウドソーシングサイト」は、初心者がWebライターとしての第一歩を踏み出すのにうってつけ。
積極的に応募し、実際の仕事を通じてクライアントとのコミュニケーションを学びましょう。
期限を厳守し、クライアントからのフィードバックには丁寧に対応するだけでなく、質問がある場合は遠慮せずに確認することも大事なコミュニケーションです。
また、クライアントからのフィードバックは、スキル向上の貴重な機会。
批評を前向きに受け止め、改善点についてさらに学習することが大事です。
良い仕事をすれば、口コミで新しい仕事につながることも多い業界ですから、SNSやイベントなどで人脈を作っておくと、仕事が回ってくることもあります。(佐々木さん)
専門性を高めて学び続ける
基本的な経験を積んだ後は、専門性を強化しつつ、できることを増やすことがカギ。Webライター業界は常に急速に変化しているため、学習を止めないことが大事だ。
専門書を読んだり、各種講座を受講したりして学んだ後は、専門分野に特化した記事を自主的に作成し、ポートフォリオに追加すると良いでしょう。
また、最新のSEOやマーケティングの知識を深めたり、AIを使用したライティング支援ツールや、コンテンツ管理システムCMSの操作方法、画像編集やデザインツールの基本的な使い方を身につけたりすると、なにかとクライアントに重宝されます。
つまり、専門性を高めるとより高単価の仕事を獲得でき、同時に幅広い知識を持つことで、さまざまな分野の仕事に柔軟に対応できるようになるということです。
バランスを取りながら、自分の強みを生かせる領域を見つける頃には、もうWebライターとして一人前といえるでしょう。(佐々木さん)
高校生がWebライターを目指すには?
まずは、読書や文章を書く習慣を身につけ、幅広い経験を積むことを意識しよう。
若い世代ならではの感性や視点は、大きな強みとなる。
高校生という早い時期から夢を目指すのはその道で有利に働くし、幅広い経験を積むことは、将来どのような進路を選択しても役立つ、広く使えるスキルの向上につながる。
Webライターを目指すために高校生活でできること
Webライターを目指すなら、高校生の時期は特に文章力を磨くことと、幅広い知識を身につけることに力を入れたいもの。佐々木さんは「とにかく本を読んで」と強調している。
高校生のうちは、とにかく本を読んでほしいですね。
できれば長い間読まれ続けているような本を読んで欲しい気持ちもありますが、まずは「学校の勉強以外で文字を読むことに対する、習慣づけや体力づけ」が重要です。
そのため、興味のある分野なら、ライトノベルでも小説でも新書でもなんでもOK。
若いうちにさまざまなジャンルの本をたくさん読んでいくことが、書く力に直結します。
ライターとしてのスキルを磨く機会は、学校活動の中にもたくさん。
例えば、学校新聞部や広報部に所属したり、学校内外でのイベントレポート作成に挑戦したり・・・。
トレンドや時事情報を追うためにニュースを読むなど、発信者としての自分を意識してみるのも、ライターの卵には有効な手です。
高校生のうちは、こういった活動を、楽しみながら続けること。
無理せず、自分のペースで着実に積み重ねていけば、必ず力になります。
この過程で自分の興味や適性を発見できるかもしれません。(佐々木さん)
Webライターになるための進路・学校はどう選ぶ?
Webライターになるために特定の学歴は必要ないし、また文系でなければいけないという決まりもない。大学での学びは幅広い知識と思考力を養う良い機会。
自分の興味がある分野で熱意をもって学ぶことが、Webライターとしても強みになる。
文学部や社会学部は、文章力や分析力を磨くのに適していますし、経済学部や経営学部では、ビジネスの知識が身につくので企業向けの記事作成に役立つでしょう。
理系学部なら、専門性の高い技術記事などに強みを発揮できます。
もちろん、大学以外にも、ジャーナリズムや出版関連の専門学校といった選択肢もあります。
Webライターになるために、唯一正解といった道はありません。
むしろ、どんな進路選択をしても、そこで得た経験や知識を活かせるのがWebライターの魅力。
自分の興味や適性を大切にしながら、幅広い可能性を探ってみてください。(佐々木さん)
現役Webライターにインタビュー!
実際のWebライターの世界では、どんな人がどのように活躍しているのだろう。それぞれ異なるバックグラウンドと経験を持つ2名のWebライターに、Webライターになったきっかけ、日々の仕事内容、その魅力などを語ってもらったよ。
「自由とチャレンジを求めてWebライターに転身」
Q:Webライターになったきっかけは何ですか?
A:元々は救急救命士として働いていましたが、コロナ禍で医療従事者として厳しい行動制限を受けたことが、生き方を見直すきっかけに。
「自分の好きな場所で、好きな時に仕事ができる職業」を探し、28歳頃にWebライターという仕事を知りました。
Q:Webライターとしての収入はどのように変化しましたか?
A:最初は時給換算で200円程度でしたが、経験を積むにつれて収入は大きく上昇しました。
月収30~50万円を稼ぐライターも多いですし、中には月収100万円、200万円を超える人も見ています。
努力次第で収入を伸ばせる点が、Webライターの魅力の一つ。
体育会系出身で、努力では人に負けない自信があったので、実績を積み重ねてきました。
Q:どのようにしてキャリアを発展させましたか?
A:まずはライターとして実績を積み、クライアントからの信頼を獲得しました。
需要が自分のキャパシティを超えたとき、ライター仲間とチームを結成。
現在はライターをまとめるディレクターとして、秘書や編集者など、さまざまな役割の人と仕事をしています。
チーム化することで、より大規模なプロジェクトも受注できるようになり、さらに収入も伸びました。
Q:現在の働き方について教えてください。
A:仕事が好きすぎて、朝4時から夜遅くまで、1日15時間以上仕事をしていることもあります。
私のケースはちょっと特殊だと思うのですが、自分で仕事のペースやスケジュールを決められるのは本当に自由でいい点だと思います。
Q:Webライターの仕事の魅力は何だと思いますか?
A:「自分の好きな場所で、好きな時に、好きな仲間と、好きなだけ働ける」という自由さが最大の魅力です。
また、努力次第で収入を大きく伸ばせる可能性があること、常に新しいことを学び続けられることも魅力だと思います。
「どこでも働ける自由を活かして海外移住を実現」
Q:Webライターになったきっかけは何ですか?
A:元々Web制作の仕事をする会社員でしたが、最新技術の習得に追われる日々に限界を感じていました。
そんな時、子育て中にWebライターの講座を受講する機会があり、クラウドソーシングサイトに登録して最初の仕事を獲得しました。
最初は副業のつもりでしたが、徐々にライターの仕事にシフトしていき、今は専業ライターです。
Q:Webライターの仕事内容について教えてください。
A:主に企業のサービスや商品を導入した顧客の声を紹介する「導入事例」記事を書いています。
私はインタビューそのものより記事を書く方が好きなので、インタビュー音源から記事を作成したり、編集作業を担当したりすることが多いです。
このように自分の得意分野を中心に請け負う働き方も、フリーランスのWebライターならではだと思います。
Q:仕事とプライベートのバランスはどのように取っていますか?
A:基本的には子どもの学校の時間に合わせて、朝9時から午後4時半までが主な仕事時間です。
締め切りが重なったときなどは夜に仕事をすることも。
忙しい時期は仕事を減らしたり、逆に時間がある時は仕事を増やしたりと、自分のペースで仕事量を調整しています。
Q:Webライターの仕事の魅力は何だと思いますか?
A:場所を選ばずに働けることが最大の魅力。
実は私、今年マレーシアへ移住するんです。
子どもと一緒に海外で暮らす夢を叶えつつ、途切れることなくキャリアを重ねられるのは、Webライターだからこそ。
新しい環境に飛び込むことで、年齢を重ねても、経験を活かした新しい分野のライティングにチャレンジしていけると信じています。
Q:高校生へのアドバイスはありますか?
A:本をたくさん読んでほしいですね。
私も高校生の頃は小説をよく読んでいました。
プロの作家が書いた本ならジャンルは何でもいいと思います。
本を読むことで語彙力が豊かになり、文章力も自然と身につきます。
Webライターを目指す高校生へ
Webライターという職業は、自由な働き方と創造性を発揮できる、デジタル時代の新しい働き方を象徴する仕事の一つ。高校生のキミはまず、興味のある分野でブログを始めたり、読書習慣をつけたり、学校の課題や日記を通じて文章力を磨いたり、できることを明日からでも始めてみよう。
そしてそのようにWebライターを目指して重ねる努力は、将来の可能性を広げることにもつながっていく。
この時期に、Webライターという選択肢を知り、興味を持ってくれたのはうれしいですね。
夢に向かって今からできることをコツコツと積み重ねていけば、必ず将来の糧になります。
自分の興味や適性を大切にしながら、幅広い可能性を探ってみてください。(佐々木さん)
Webライターに関連する職業・学問をCHECKしよう!
Webライターという職業に興味を持った人は、関連する他の職業や学問分野にも、ぜひ目を向けてほしい。将来のキャリアを考える上で貴重な参考になるはずだ。
以下に、Webライターに関連する職業と学問分野を紹介するので、気になるところをチェックしてみよう。
各項目の詳細については、リンク先でさらに詳しく知ることができる。
ライター
ライターは、さまざまなメディアのために文章を書く職業。Webライター以外にも、雑誌ライター、広告ライター、技術ライターなど、専門分野に特化したライターも。
文章力と情報収集能力が重要で、フリーランスでの活動も多い。
●ライターについて詳しく知る
脚本家・シナリオライター
映画、テレビドラマ、舞台、アニメなどの台本を書く。物語の構成力や対話の書き方など、独特のスキルが求められる。
Webライターのスキルを活かしつつ、より創造的な文章表現に挑戦したいなら考えてみては。
●脚本家・シナリオライターについて詳しく知る
編集者
出版物やWebコンテンツの企画、執筆者の選定、原稿の編集などを行う。ライターとしての経験を活かしつつ、より広い視点でコンテンツ制作に関わることができる。
●編集者について詳しく知る
作家・小説家
小説、エッセイ、ノンフィクションなどの作品を書く職業。Webライターとしての経験は、文章力や情報収集能力の面で大いに役立ちそう。
自分ならではの表現や、世界観を作り上げる創造性を重視したい人に最適。
●作家について詳しく知る
社会学
人間社会の仕組みや現象を研究する社会学。社会のさまざまな側面を理解することは、Webライターとして多様なテーマを理解する一助となりそう。
●社会学について詳しく知る
社会学を学べる学校を探す
マスコミ学
マスメディアやコミュニケーションに関する理論や実践を学ぶ分野。Webライターとして活動する上で、メディアの特性や情報伝達の仕組みはぜひ理解しておきたい。
●マスコミ学について詳しく知る
マスコミ学を学べる学校を探す
日本文学
日本の文学作品や言語表現を研究する。古典から現代文学まで幅広く学ぶことで、豊かな表現力と深い洞察力を養うことができる。
●日本文学について詳しく知る
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取材・文/二階堂ねこ 取材協力・監修/佐々木ゴウ 構成/寺崎彩乃(本誌)
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