今やらなきゃもらえない? 先まわり行動が給付型奨学金の獲得への道だった!
経済的な理由から「進学が難しい」「進学したいのにできない」という人を助ける奨学金。卒業後に働いて返還していく一般的な貸与型奨学金だけではなく、なかには返還の必要がない給付型奨学金という制度も。
ただ、この給付型奨学金は、さまざまな選考基準をクリアしないといけないシビアな制度。
「申し込んだけど受けられなかった」「基準を見て諦めた」という人も多いのだとか。
そこで今回は、給付型奨学金に興味をもち申請しようと思った人や、実際に申請したことがある200人に、「選考基準をクリアするために高校時代にやっていたこと」などをアンケート調査!
そこから見えてきた給付型奨学金ゲットのポイントは、各学年での“先回り行動”だった!
給付型奨学金について、数々の給付型奨学金を申請した高校生をみてきた「きゅうふ仙人」にポイントを教えてもらった!
高1のときに重要なのは、いち早く“評定平均”を意識すること!
ひとつめのポイントは、高校3年間の評定平均。
日本学生支援機構(JASSO)の給付型奨学金には「学力基準」のチェックがあって、そのなかには「高等学校等における全履修科目の評定平均値が、5段階評価で3.5以上であること」という項目が!
3年間の平均で審査を受けるため、3年生になってから焦っても間に合わない…なんてことも。
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・「成績が3.5以上になるように気をつけていた」(ひささげさん・19歳女性・京都・JASSO)
・「成績を維持できるように、定期テストに向けた試験対策を重点的に勉強していた」(ibisさん・23歳男性・東京・飯塚毅育英会)
・「高成績を維持するために、勉強時間をきちんと確保するようにしていた」(たさうさん・21歳女性・千葉・JASSO)
・「教科によって成績に差が出ないように気をつけていた。提出物をしっかり出すことも意識していた」(CIPHERさん・22歳女性・東京・JASSO)
・「勉強せずに遊んでいたら落ちてしまった。もう少し成績がよければ受給できていたかもしれない」(米さん・19歳女性・埼玉)
・「休まずに授業にしっかり出て、テストでも好成績をキープすることが必要だった」(仮面美女さん・20歳女性・宮城)
![今やらなきゃもらえない? 先まわり行動が給付型奨学金の獲得への道だった!](https://dgjcvspr1jhox.cloudfront.net/article_images/20200907000009/kyuufugata05.jpg?20250217)
給付型奨学金を受けることができた人たちの声を見ると、「好成績を維持し続けた」という先輩がほとんど。
逆に受け取ることができなかった人は、定期テストで点数が取れなかったり、欠席が多かったりで成績をキープできなかったという声が多かった。
給付型奨学金申請までの全科目の3年間の平均がカギになるので、1年生のうちから欠席を抑えつつ、どの教科もまんべんなく勉強しておくことが大切!
どの時期の成績までが申請時に必要かは学校によってちがうので、先生に確認しよう!
高2では保護者と相談して、自分の家庭の経済状況を知ること!
もうひとつのポイントは、家庭の経済状況。
給付型奨学金の条件には、自分の家族の収入と資産によって、その家庭が給付対象なのか、また、いくらまで給付できるのかを判断する「家計基準」という審査項目も。
家族構成や保護者が共働きなのかどうかなど、この「家計基準」の条件はさまざま。
例えば「保護者と高校生(本人)、中学生(兄弟)の4人家族で、父親だけが働いている」という場合、父親の収入が379万円以上であれば申請は通らない可能性がある。
また、家庭に2,000万円以上の貯金がある場合もNGになることが…。
そしてこの「家計基準」は、進学後に受け取る給付額の判断基準でもあるそう。
上と同じ4人家族の場合、父親の収入が年間172万円以下であれば月2万9200円。
収入が191万円以下であれば月1万9500円…と、給付額も収入によって大きく変わってくるので、しっかり申請書を確認しよう!
![今やらなきゃもらえない? 先まわり行動が給付型奨学金の獲得への道だった!](https://dgjcvspr1jhox.cloudfront.net/article_images/20200907000009/koukou_02.jpg?20250217)
・「給付型奨学金を受けられたのは経済的な理由が大きかった。よく家庭で話し合うことが大切だと思う」(あんずさん・20歳女性・神奈川・JASSO)
・「親の収入が十分ではなかったから受けられた。自分でも申請方法など、しっかりチェックしておくといいと思う」(りんごさん・20歳女性・新潟・JASSO)
・「家庭の生計がよくなかったから受けられた。給付型奨学金の基準は成績だけではないので、高校生も家計についてしっかり考えてほしい」(akaさん・19歳男性・沖縄・JASSO)
・「保護者の給料の低下が大きかった。奨学金の説明会には早くから参加しておくべきだと思った」(yyyuuuさん・19歳女性・大阪・JASSO)
・「受給できなかったのは、家にはローンがなく、特に生活に困っているわけでもなかったから」(米さん・19歳女性・埼玉)
・「給付型奨学金が受けられるかどうかは、親の収入に大きく左右される」(塩林檎さん・19歳女性・神奈川)
![今やらなきゃもらえない? 先まわり行動が給付型奨学金の獲得への道だった!](https://dgjcvspr1jhox.cloudfront.net/article_images/20200907000009/kyuufugata04.jpg?20250217)
給付型奨学金を受けられた人たちの声を見るかぎり、先輩たちは保護者と家庭の経済状況について相談しつつ、早い段階から申請できる奨学金を探していたよう。
「お金の話は保護者としづらい…」という人も多いけど、いざ受けようとしたときに「基準を越えていた…」ということにならないように、自分の保護者に収入、資産について聞いてみることが必要!
給付型奨学金を申請できるかどうか、そのポイントは「評定平均」と「家庭の経済状況」。
そのカギを握るのは、早い段階からの“先回り行動”。
給付型奨学金を受け取るために、高校1年生、2年生のうちに行動しよう!
⇒学費もシミュレーションでどのぐらいの学費がかかるのか事前に知っておこう!
知らなきゃ損!給付型奨学金はJASSOだけではない!
ちなみに、今回の調査では、最も一般的なJASSO(日本学生支援機構)の給付型奨学金のほかに、さまざまな団体が行う給付型奨学金を利用している人も多かった。
今回は最後に、JASSO以外の給付型奨学金をご紹介!
●あしなが育英会
保護者が亡くなっていたり、障害をもっていたりする家庭の子どもが対象。
「月額7万円のうち3万円を給付」など、全体の一部を返還不要とした給付型の「あしなが奨学金」を行っている。
貸与部分も無利子で、卒業後に20年間で分割返還。
●交通遺児育英会
保護者が交通事故で亡くなっていたり、事故によって後遺障害を負っていたりする家庭の子どもが対象。
自宅から通えない距離の学校に進学する人のための「家賃補助」や、受験料を上限5万円で補助してくれる「上級学校進学受験費用補助」、自動車免許を取るための教習所の費用を補助してくれる「普通自動車第一種運転免許等取得費用補助」など、3種類の給付型奨学金がある。また、JASSOや地方公共団体など、その他の奨学金制度と併用することも可能。
●大学、地方公共団体
大学や短大、市町村のなかには、それぞれ独自の奨学金制度を行っているところも。2016年には、大学では584校、短大では191校、地方公共団体では745団体が実施している。奨学金制度がある大学、地方公共団体は、JASSOのWEBサイトから検索可能。
●各企業の育英会
大学や地方公共団体のように、育英会として奨学金を行っている企業も。
各育英会ごとに独自の条件があり、大学や学部が指定されているケースも多い。
![](https://dgjcvspr1jhox.cloudfront.net/article_images/20200907000009/henshuu.jpg?20250217)
ほんのちょっとの『先回り行動』が給付型奨学金を受給できたかできなかったかの差だとわかった今回の調査!
給付型に興味があるけど、何をすればいいのかわからないという人は参考にしてみて!
みんなが希望の進路に1歩でも近づけたらいいな。
※本記事は2020年8月時点の情報で制作しています。詳細・最新情報は各団体ホームページにてご確認ください。