進む大学入試改革! 続々登場する新しいタイプのAO・推薦入試
センター試験は2020年度で終了し、新テストに
高校生のみんなは、今、大学入試の大改革が進んでいることは知っているだろうか?
例えば、大学入試センター試験が廃止され、2020年度からは新しい「大学入学共通テスト」がスタートすることなどは、ニュースなどで聞いたことがあるかもしれない。
ただ、もし知っていても、変わるのは2020年度。
「自分たちには関係ない」と思っている高校生が多いはずだ。
しかし、今回の改革で変わるのは、実はセンター試験だけではない。
文部科学省が打ち出した方針のもと、各大学の個別の入試も変わるのだ。
そして、ここが大事なポイント。個別の入試の改革はもうすでに始まっている。つまり、こちらは今の高校生の受験にも関係大ありというわけ。
ユニークな名称・内容の入試が続々登場している
では、この改革とは具体的には何のことかというと、2016年度以降、難関国立大学や一部の私立大学で導入が進んでいる新しいタイプのAO・推薦入試がまさにそれ。
主なところをざっと並べてみよう。
「推薦入試」(2016年度~)
・京都大学
「特色入試」(2016年度~)
・大阪大学
「世界適塾入試」(2017年度~)
・お茶の水女子大学
「新フンボルト入試」(2017年度~)
・早稲田大学
「新思考入試」(2018年度~)
このほかにも、東洋大学は情報連携学部などで「Web体験授業型入試」、文学部哲学科で「ディベート型入試」を導入。
中京大学は学部ごとに内容が異なる「高大接続入試」を導入するなど、新しいタイプのAO・推薦入試の導入は大きな流れになってきている。
これからの社会で求められる人材を選ぶ入試
さて、ここで、「今までのAO・推薦入試と何が違うの?」「何のために新しい入試を導入するの?」という素朴な疑問が浮かんだ人も多いはず。
ポイントをAO・推薦入試専門塾「カンザキメソッド」代表の神崎史彦さんに解説してもらおう。
グローバル化や第4次産業革命が進むこれからの社会では、単純作業はAIやより賃金の安い海外の人材が担うことになります。
社会を支える若い人たちに求められるのは、よりクリエイティブな能力。
一連のAO入試の改革は、まさにこのような人材を選抜し、育てるためのものなのです」
なお、これからの社会で求められる力として、文部科学省が示しているのが以下の「学力の3要素」。
②思考力、判断力、表現力
③主体性をもって多様な人々と協働して学ぶ態度
大学によって、重視するポイントはそれぞれ異なるものの、これらの力を総合的に測っていこうというのが、新しいAO・推薦入試のねらいというわけだ。
さまざまな方法で「考える力」や「学ぶ力」を測る
入試方法もそれぞれユニークだ。
例えば、お茶の水女子大学の「新フンボルト入試」では、文系を対象に「図書館入試」を実施。
図書館で文献や資料を自由に調べながら自分の論を練り上げ、グループ討論や面接によって論理力や課題探求力、独創性などを評価するという内容だ。
問われるのは、すでに頭に詰め込んだ知識ではなく、その場で考えて、調べて、自分なりの結論を導き出す力なのだ。
複数回のセミナーを受けて、レポートを提出することで「学ぶ力」を測るタイプの入試も増えており、どれも付け焼き刃の対策ではクリアするのは難しそう。
この学びを通して得た力は大学入学後にも、社会に出た後にもつながっていくものです」
新しいタイプのAO・推薦入試は、一般入試よりもハードルが高く感じられることもあるだろう。
しかし、高校時代にしっかり学ぶ力、考える力を磨いてきた高校生にとっては、「未来につながる力」を試すチャンスともいえそうだ。
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