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小論文完全マニュアル① 意外とみんなわかってない!?目からウロコの「小論文とは?」

小論文完全マニュアル① 意外とみんなわかってない!?目からウロコの「小論文とは?」

小論文が苦手なのは、小論文を知らないから!?

大学などの入試科目の中でも小論文が苦手という人は多いのではないだろうか。
 
「問題を解く」タイプの他の科目とはそもそも性質が違うので、どう対策すればいいのかよくわからないという人もいるはずだ。
 
スタディサプリの小論文講師、小柴大輔先生によれば、実は「小論文とは何か」をよく理解していない受験生も少なくないのだとか。
 
対策の第一歩は、まず敵を知ることから。
 
受験生が誤解しがちなポイントを中心に、小論文という試験科目の基本を先生に解説してもらおう。

 
最初に、小論文の出題形式について押さえておこう。
 
代表的なのは、長めの課題文付きのタイプ、シンプルなテーマだけが提示されるタイプ、グラフなどの資料を読み解くタイプなど。
 
時間と文字量は、60分600字、80分800字などのパターンが一般的だ。

「だいたい100文字あたり10分程度と考えてOKです。
 
少ないと400字、多いと1000~1200字という場合もありますが、いずれにしても時間との勝負ですね」

基本中の基本。小論文は作文・感想文とは違う!

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ただし、出題の形式や文字量が違っても、小論文の基本となるポイントは共通していると小柴先生。

「基本中の基本は、作文・感想文と小論文の違いを理解しておくこと。
 
よく言われることではあるのですが、小論文なのに作文・感想文を書いてしまう受験生は多いんです」

作文・感想文なら自分の思ったことを思ったように書いてOK。
 
これに対して、小論文は、設問に対して、根拠を示して自分の意見を論じるもの。
 
論理的に相手を説得することが求められる文章。
 
独りよがりな思いだけを書いても誰も説得することはできず、それでは小論文として成立しないのだ。
 
というわけで、小論文には「意見」とその「理由・根拠」が明解に示されていないといけない。
 
かつ相手を説得するためのわかりやすい「構成」も重要。
 
では、この3つの要素について小柴先生にさらに詳しく説明してもらおう。
 

小論文で求められる「意見」は持論や思想とは違う

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まずは「意見」について。

「意見というと、自分の中にある『揺るぎない持論』を披露しないといけないと思い込んでいる受験生もいますが、そんなことはありません。
 
そもそも、課題文に対して賛成・反対の両方の立場から論じさせる設問だってありますから。
 
自分の考えとは違う意見を書くことだってあるのです」

これは意外に感じる人も多いかもしれない。
 
要するに、問われているのは、その人の本質的な考え方や思想ではなく、初めて見るテーマについても臨機応変に論理展開できる柔軟な思考力というわけだ。
 
ちなみに、意見と感想の違いがよくわからないという人も多いかもしれない。
 
わかりやすく言えば、自分の中の「好き/嫌い」で終わってしまうのが感想、一方、自分の感情とは別に、論理的な根拠とともに主張されるのが意見。
 
例えば、「とてもおいしいから納豆が大好きだ。だから毎日食べたい」は感想(あるいは自分の感情・感覚だけに基づいた考え)。
 
これに対して、「納豆には必須アミノ酸がバランス良く含まれており、人々の健康増進に貢献することが科学的にも証明されている。
 
だから、積極的に摂取すべき食物の一つである」は意見。
 
なお、後者の「意見」は、実は納豆が嫌いな人が書いている場合だってあるし、それでもまったく問題ないというわけ。
 
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また、一口に「意見」といってもいくつか種類がある。
 
分類すると次の通り。

①問題発見、問題の指摘
②問題の分析
③問題解決、対策案の提示
④希望や価値、可能性、重要性の指摘

例えば、少子高齢化や地球温暖化などの社会問題について意見を述べる場合、受験生は、つい対策まで書かなければいけないと考えがちだ。
 
しかし、このような複雑な問題に対して、限られた時間、文字量で説得力があるレベルの対策を提案するのは、受験生にとっては至難の業。
 
そのような場合は、無理をせず、問題の指摘や分析に止めても十分意見として成立する。
 
①~④のうちのどれかに該当していれば大丈夫(もちろん複数を組み合わせてもOK)。
 

反論を乗り越えることで説得力が大幅にアップ

次に、「理由・根拠」について。
 
根拠として使えるのが統計データ。
 
数字で裏付けることにより、意見の説得力はグンと高まる。
 
ただし、課題文や図表から引用する場合を除けば、数字を覚えておく必要があるので、受験生にとってややハードルは高め。
 
あくまでできる範囲で盛り込めばOKだ。
 
小論文完全マニュアル① 意外とみんなわかってない!?目からウロコの「小論文とは?」
 
より意識してほしいのが、文中で自分の意見に対する反論を示して、それを乗り越えること。

「これは小論文を書くうえで非常に重要なポイントなんです。
 
どんな意見にも反対意見はあります。
 
文中で反対意見を明示し、比較上自分側の意見の方がより重要である、あるいは
反論側にはこんな大きな問題があるなどを指摘することで、説得力が大きくアップします。
 
もう一人の自分とディベートするイメージですね」

小論文は「序論」がカギ。「結論」は軽視してもOK

そして、「序論→本論→結論」と文章が論理的に「構成」されていることも読み手を説得するためには欠かせない要素だ。

「中でも重要なのが序論です。
 
序論では、自分の立場・関心・目の付け所を明らかにするのがポイント。
 
2~3行の序論形成がしっかりできていると、小論文の方向性が決まりますから、書く側も書き進めやすいし、読む側にとってもわかりやすい文章になります」
 

なお、意見は「結論」で書くものと思っている人も多いはずだが、「序論」で早々に意見を書いてしまってもまったく問題ない。
 
本論はそれを裏付ける理由や根拠を中心に展開する。
 
小柴先生によれば、意外にも「結論」はそこまで重視しなくてもいいのだとか。

「序論で書いた意見の繰り返しになる場合もありますし、時間切れで結論まで書けないケースもありますからね。
 
結論は省いて、序論→本論という構成にしてしまっても、実は問題ないんです」

高得点は難しい科目。60~65点で合格ライン

さて、ここまでで、小論文の基本的なポイントはおわかりいただけただろうか。
 
では、最後に、気になる採点のポイントについても触れておこう。

「小論文は100点満点で60~65点を取れば十分合格レベル。
 
高得点が難しい科目で、80点取る受験生はごく稀です。
 
だから、着実に点数を重ねることが大切なんです」

評価は、通常、「理解力」「構成力」「発想力」「表現力」といった項目別にされる。
 
例えば、序論がしっかり書けていれば、それだけで「構成力」の点数が稼げる。
 
得点が計算できるところでソツなく加点を得ることが重要だ。
 
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なお、どんなに立派な意見でも、設問条件を満たしていないと大幅減点は免れないので要注意。
 
例えば、「Aという問題について、賛成の立場から論じなさい」という設問条件に対して、「いや、自分は反対なので、その立場から論じたい」というのはNG。

「繰り返しになりますが、問われているのは、自分の持論や思想ではなく、あくまで設問条件に応える柔軟な思考力なのです」

 
 
※続編は順次公開予定!

伊藤敬太郎 ライター

伊藤敬太郎

Webサイト、情報誌、メルマガなどで、教育、資格、キャリア、ビジネスといった分野を中心に活動。これまでに執筆した主な媒体は『キャリアガイダンス』『社会人・学生のための大学&大学院選び』『リクナビNEXT』『仕事の教室ビーカム』など。

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