勉強・入試

AO入試って?推薦入試や一般入試と何が違うの?

AO入試って?推薦入試や一般入試と何が違うの?

一般入試、推薦入試と並ぶ入試方法として定着しているAO入試(アドミッションズ・オフィス入試)。
 
何となく「学力が問われない試験でしょ?」「推薦入試と似たような入試では?」といったイメージくらいはもっていても、実はどんな入試なのか正確に理解できていない人も多いのでは?
 
でも、大丈夫!
 
AO・推薦入試の専門家であるカンザキメソッド代表の神崎史彦先生に、推薦入試や一般入試との違いなど、AO入試について押さえておきたいポイントを基礎から解説してもらおう!
 

【今回教えてくれたのは…】
推薦入試って?評定基準って?AOや一般入試と何が違うの?

※AO入試について神崎史彦先生先生に教えてもらった!

神崎史彦先生
AO・推薦入試対策ゼミ・カンザキメソッド代表。
 
東進ハイスクール講師。
 
全国各地の高校や大学にて(年間60校以上)、志望理由書・自己推薦書・小論文・面接対策の講義・講演を担当し、延べ5万人以上が聴講。
 
『ゼロから1ヵ月で受かる 小論文のルールブック』『同 面接のルールブック』『カンザキメソッドで決める!志望理由書のルール【文系編】』『同【理系編】』など著書多数。

 


 

AO入試(アドミッションズ・オフィス入試)とは?

AO入試について押さえておきたいポイントを基礎から解説!推薦入試や一般入試との違いって?

※AO入試(アドミッションズ・オフィス入試)とは?

 
大学が「求める学生像」に合致する人物を選抜する入試制度
 
文部科学省が毎年まとめている「国公私立大学入学者選抜実施状況」によると、2017年度に、AO入試(アドミッションズ・オフィス入試)で大学に入学した人の割合は全体の9.1%。
 
私立大学の約8割、国立大学の約4割で実施されており、今や代表的な入試方法の一つとして浸透している。
 
では、そもそもAO入試とはどのような入試なのだろうか?推薦入試や一般入試とはどう違うのだろうか?

「大学はそれぞれに『どのような学生に入学してほしいか』をアドミッションポリシーとして掲げています。
 
面接などを通して人物を評価することによって、このアドミッションポリシーに合致する人物を選抜するのがAO入試です。
 
学力だけを測る一般入試では、大学側が求めている学生像に合致するかどうかまではわかりませんし、推薦入試はあくまで高校が推薦する学生を受け入れる入試制度。
 
ですから、AO入試と推薦入試・一般入試とでは、入試のねらいや選考のポイントが明確に違うのです」

アドミッションポリシーとは?

身につけておいてほしい能力などが挙げられている
 
アドミッションポリシーの中身は大学によってさまざま。
 
例えば、「課題を発見し、解決する力」「他人と協働する力」「主体的・自律的に行動する力」など、「どんな力をもっていてほしいか」が書かれていることもあれば、「地域社会の発展に貢献したい人」「グローバル社会での活躍を志す人」のように将来の目標に関することが書かれていることもある。
 
さらに、学問分野への興味・関心や、志望分野に関連する特定のスキル、取得資格、語学検定の級・スコアなどが求められる場合もある。

「AO入試を受験するにあたって大切なのは、志望大学・学部・学科のアドミッションポリシーをまずはしっかり読み込むことです。
 
なかには、抽象的な表現で書かれていて、高校生が一人で読んでも正確に理解しづらいアドミッションポリシーもあります。
 
ですから、オープンキャンパスの際、大学の先生に、『ここの部分は具体的にはどのような能力のことを指しているのですか?』『実際にはどのレベルまで求められるのですか?』など、わからないことを質問して、疑問点をクリアにしておくといいでしょう。
 
高校の先生に相談してみるのもいいかもしれません」

しっかりとアドミッションポリシーの中身を理解して、自分がそれを満たしているかどうか、または、満たすために受験までに何をすればいいかを確認することが、AO入試にチャレンジする際の最初のステップになる。
 

AO入試の選考方法は?

AO入試について押さえておきたいポイントを基礎から解説!推薦入試や一般入試との違いって?

※AO入試の選考方法は?

 
基本は書類選考&面接&小論文。国立はセンター試験を課すところも
 
AO入試は、志望理由書・調査書などの書類選考と面接、小論文によって選抜が行われるのが基本。
 
ただし、大学によって選考方法に特色があることも少なくない。
 
学力試験が課されることもあるし、面接で志望分野に関連する知識が問われることも。
 
また、プレゼンテーションやグループディスカッション、フィールドワークなどが課される大学もある。

「私立大学では学力試験が課されることはあまりないですが、国立大学ではセンター試験を課すところが増えていますね。
 
AO入試は『学力試験がないから取り組みやすい』と考えている受験生も多いかもしれませんが、最近の国立大学のAO入試は、一般入試より多くの対策が必要になりますから、決してラクな入試制度とはいえません」(神崎先生)

AO入試の出願条件って?

評定平均を出願条件としない大学が目立つが、大学によるので要確認
 
推薦入試では、例えば、「全体の評定平均3.5以上」といったように高校1年から高校3年1学期までの評定平均が出願条件として指定されることが多い。

「それに対して、AO入試は、あまり厳密に出願条件を定めず、多くの受験生に門戸を開いている大学が目立ちます。
 
とはいえ、出願条件として評定平均が指定されている大学や、高校での履修科目が指定されている大学などもあるので、しっかりと確認しておく必要がありますね。
 
なかには語学検定の級・スコアを出願条件としている大学もあります」

なお、オープンキャンパスへの参加がAO入試の出願条件となっている大学もあるので、早い段階でチェックしておくことが大切。
 

評定平均って?

AO入試について押さえておきたいポイントを基礎から解説!推薦入試や一般入試との違いって?

※評定平均って?

 
全科目の成績を足して科目数で割った数字が全体の評定平均
 

「評定平均とは、全科目の成績(5段階)を足し合わせ、科目数で割った数値です。
 
高校1年から高校3年の1学期までの成績を対象として算出するので、高い評定平均を取るには1年次から学校の勉強に真面目に取り組むことが大切です」

評定平均は、小数点以下第2位を四捨五入するため、3.7や4.6といった数で表される。
 
高校の成績評価が10段階の場合の5段階への直し方は、学校ごとに定められた換算基準により異なるので注意が必要。
 
例えば、10段階のうち9と10が5になる学校もあれば、8、9、10が5になる学校も。
 
なお、全教科の評定平均のほか、教科ごとの評定平均もある。
 
また、大学・短大によっては、A・B・C・D・Eの5段階で評価する学習成績概評で基準を示していることもある。
 
評定平均と学習成績概評の関係は以下の通り。
 
AO入試について押さえておきたいポイントを基礎から解説!推薦入試や一般入試との違いって?

※評定平均と学習成績概評

 

AO入試のスケジュールって?

AO入試について押さえておきたいポイントを基礎から解説!推薦入試や一般入試との違いって?

※AO入試のスケジュールって?

 
出願開始は8月1日以降。ただし、その前にエントリーが始まる大学も
 
AO入試の出願開始は、8月1日以降と定められている。
 
ただし、推薦入試や一般入試ほど入試日程が特定の時期に集中しておらず、大学によってさまざま。
 
8月から年明けの2月ころまで、複数回の入試日程を設けている大学も少なくない。

「出願前に『エントリー』が必要な大学が多いのもポイントの一つですね。
 
エントリーとは、AO入試を受験する手続きのようなもので、早ければ6月ころからスタートします。
 
志望理由などを記入したエントリーシートを提出し、それに基づいて出願前に面談を行う大学もあります。
 
エントリーシート提出と同時に課題提出などが求められるケースもありますね」

エントリーも含めて考えると、AO入試は、推薦入試や一般入試と比べて動き出すのが早い。
 
前述のように、オープンキャンパス参加が出願条件となる大学もあるので、夏休み前には志望校を検討しておく必要がある。
 

AO入試についてのみんなの素朴なギモンに回答!

AO入試対策のポイントは?

AO入試について押さえておきたいポイントを基礎から解説!推薦入試や一般入試との違いって?

※AO入試対策のポイントは?

 
学びたいテーマについて自分なりに探求を深めることが最大の対策
 
書類審査、面接、小論文という選考方法は推薦入試とよく似ているが、一般的に、推薦入試では、評定平均など高校時代の実績が問われる比重が高いのに対して、AO入試では、志望分野に関する学習への意欲など、入学後の学びに関連する部分が問われる比重が高い。

「そのため、学びたい分野について、関心をもつようになったきっかけ、今までに探求してきたこと、探求の過程で発見した課題、その課題に大学でどのように取り組んでいきたいかなどを、自分を軸とした一連のストーリーとしてしっかりと書き、語れるようにしておくことが大切です。
 
志望理由書と面接で話すことの整合性もチェックされるので、付け焼き刃で志望理由書だけうまくまとめてもダメ。
 
本当にその分野に関心を深めていなければ、面接でボロが出てしまいます」

そう考えると、ゼロから短期集中でAO入試対策をするのは簡単ではない。
 
もともと学びたいテーマが明確にあって、自分なりにじっくり探求を続けてきた人にこそ向いている入試といえる。

「しっかりと準備をするには、高校2年の夏には志望校や学部・学科をある程度決めて、オープンキャンパスに参加するのが理想ですね。
 
そこで大学での学びやアドミッションポリシーについて理解を深め、自分の学びたいテーマも大まかに見えてくれば、探求の時間は十分にあります。
 
小論文や面接のテクニックを習得するだけなら入試直前の1カ月程度でも間に合いますが、重要なのはその中身。
 
探求が浅い人は、テクニックだけがあったところで、書くことも語ることも浅くなってしまいます」

ちなみに、探求を深めれば深めるほど、社会的な課題解決の難しさなどを実感し、モヤモヤ感が高まっていくもの。
 
実はこの気持ちが大切なのだと神崎先生。

「大学へはこのモヤモヤ感を解決するために行くわけですから。
 
志望理由書の段階で安易に結論を出してスッキリしてしまうほうが考えもの。
 
探求が浅い証拠です。
 
自分の中に育ったモヤモヤ感を大切にし、それを大学での学びに結びつけていきましょう」

資格や検定は評価の対象になる?

AO入試について押さえておきたいポイントを基礎から解説!推薦入試や一般入試との違いって?

※資格や検定は評価の対象になる?

 
語学検定を評価の対象とする大学が多くなっている
 

「実用英語技能検定、TOEIC(R)テスト、TOEFL(R)テスト、GTECなどの語学検定をはじめ、学部・学科の学びに関係する資格・検定を評価の対象としている大学もあります。
 
特に語学検定を評価の対象とする大学・学部は増えていますね。
 
大学・学部によっては中国語など、英語以外の検定も評価の対象としており、その場合は級やスコアがそれほど高くなくても有利に働くこともあるようです」

いずれにしても、AO入試の評価項目・評価基準は大学によって異なるので、募集要項を早めにチェックしておくことが大切。
 
語学検定などは出願直前の短期間で級・スコアを一気に上げるのは難しいので、高校2年うちから対策をしておくことも重要になる。
 

AO入試って併願は可能?もしAO入試に落ちたら?

AO入試は専願が基本。不合格なら一般入試で再挑戦する道も
 
AO入試は、自由に併願ができる一般入試とは違って専願が基本。
 
ただし、私立大学の中には他大学との併願を認めているところもある。
 
その場合も、『同じ大学内の他学部との併願は不可』などの条件が設けられていることも多いので、募集要項で確認しておきたい。

「落ちた場合にどうするかは、それまでの準備次第です。
 
一般入試と両にらみで準備をしている受験生であれば、AO入試で不合格だった志望校に一般入試でチャレンジすることもできます。
 
ただし、現実的には、私立大学のAO入試志望者は、学力試験対策をしていないことも多く、その場合、不合格となった秋以降に準備を始めても間に合いません。
 
そうなると、その時点で出願が間に合う他大学のAO入試を目指すことになりますね」

選択肢を広げておくという意味でも、入学後に学力不足で授業についていけないといった事態を避ける意味でも、AO入試が第一志望であっても一般入試対策はしておくのが理想だと神崎先生。
 
また、AO入試を複数回実施している大学・学部の場合、一度不合格となっても、再度AO入試でチャレンジすることも不可能ではない(実際に再挑戦して合格した人もいる!)。
 
ただし、志望理由や人物評価で不合格となっているのだから、短期間で挽回するのは現実的にはそう簡単ではない。
 
現状の自分の実力をよく考えて、次の目標を冷静に検討することが必要だ。
 

志望校が公募制推薦入試もAO入試も実施。どちらを受験したらいい?

AO入試について押さえておきたいポイントを基礎から解説!推薦入試や一般入試との違いって?

※志望校が公募制推薦入試もAO入試も実施。どちらを受験したらいい?

 
倍率や出願条件、選考のポイントなどをチェックして有利なほうを選ぼう
 

「大学によっては、同じ学部で公募制推薦入試もAO入試も実施していることもあります。
 
当然、自分にとってより合格しやすい入試制度を選択したほうがいいので、それぞれの過去の倍率、出願条件、選考のポイントなどをしっかり比較検討しましょう」

例えば、公募制推薦入試では評定平均が指定されているが、AO入試では評定平均が指定されておらず、その代わりに別の条件が設けられていることもある。
 
その場合は、高校の成績に自信があれば公募制、指定された別の条件に自分が合致していればAOという選択ができる。
 
なお、単純に倍率だけを比較して低いほうを選ぶのは危険。
 
出願条件が厳しいから倍率が低いということもあるからだ。
 
自分にとって有利なほうを総合的に判断しよう。
 
※2018年11月取材時点の内容です。
***
★ほかの記事もCHECK!
苦手意識だけで選んでない?後悔しない文理選択の方法
 
集中しやすい?集中しにくい?“ながら勉強”って実際どうなの?
 
現役東大生&東大卒業生113人に聞く!効果的な一夜漬けの方法とは?

伊藤敬太郎 ライター

伊藤敬太郎

Webサイト、情報誌、メルマガなどで、教育、資格、キャリア、ビジネスといった分野を中心に活動。これまでに執筆した主な媒体は『キャリアガイダンス』『社会人・学生のための大学&大学院選び』『リクナビNEXT』『仕事の教室ビーカム』など。

ページのトップへ