併願校相談室(後編)最終調整編
受験勉強が大変な時期。第一志望校の勉強に集中しすぎて、併願校の出願がテキトーになってない?でも、スケジュールや試験方式の選択を誤ると、希望通りの結果を得られないかも!?
自分に合った併願校を選んで、後悔のない進路選択をしよう。
目次
相談室長
神﨑史彦先生
総合型・学校推薦型選抜専門塾「カンザキジュク」代表。スタサプ講師。延べ10万人の受験生をサポート。
[Q.1]国公立大学の前期と後期、同じ大学を受験するか悩む…。
国公立大学が第一志望です。
後期は定員も少ないので、もう少し手堅い大学にしたほうがよいか悩んでいます。
練習のために、中期も受けたほうがよい?
(高3・女子・人文学部志望)
[A.1]今決める必要はなし!共通テストまでに自己採点の得点ごとの出願パターンを決めておこう
アドバイス①傾斜配点まで細かく計算しながら志望度に合わせて併願校を検討しよう
国公立志望の場合、共通テストの自己採点次第で出願校を大きく変える必要がある。自己採点の得点別に、併願パターンを決めておこう。
その際、傾斜配点を考慮して点数化し、過去の合格ボーダーも確認したうえでパターンを考えること。
自己採点の結果別、併願パターン
[目標点到達]
前期・後期試験ともに、併願校も第一志望でGO!
[目標点未達]
A 前期・後期ともに第一志望を貫く
二次の出題形式が得意、もしくは浪人しても 第一志望に行きたいなら、前後期そのままで。
B 前期は第一志望のまま、後期は別の併願校へ
第一志望をあきらめきれない、でもできれば浪人を避けたい場合 は、難易度や倍率が高くなりがちな後期のみ別の併願校に変更。
C 前期・後期共に第一志望と別の学校を選択
浪人NG、もしくは目標点よりかなり低かった 場合は、前後期ともに出願校を変更。
前期・後期試験ともに、併願校も第一志望でGO!
[目標点未達]
A 前期・後期ともに第一志望を貫く
二次の出題形式が得意、もしくは浪人しても 第一志望に行きたいなら、前後期そのままで。
B 前期は第一志望のまま、後期は別の併願校へ
第一志望をあきらめきれない、でもできれば浪人を避けたい場合 は、難易度や倍率が高くなりがちな後期のみ別の併願校に変更。
C 前期・後期共に第一志望と別の学校を選択
浪人NG、もしくは目標点よりかなり低かった 場合は、前後期ともに出願校を変更。
アドバイス②学びの内容と立地が合えば中期を受けるのも〇
公立大学で実施されている中期試験は実施校が少ないため、場所が限られる。そのため、ただ練習のためだけに、中期試験を受けるのはオススメできない。
学びの内容が自分の希望と合致し、かつ立地も合えば受けるのもアリ。
[Q.2]併願校を変更するかは、いつ、どうやって判断すればいい?
思ったより成績が伸びず、第一志望校、併願校ともに変更したほうがよいのでは?と先生に言われています。
現役生はギリギリまで伸びると聞くし、いつ、どうやって判断すればいい?
併願校受験のオススメ直前対策も知りたい!
(高3・男子・工学部志望)
[A.2]最後の模試の結果で決断。ネックとなる科目が何かにより、後伸びするかが変わる。
アドバイス① 英・国がネックなら現状維持、地歴・公民なら伸びしろあり
私大は出願前最後の模試で判断。点数が上がりづらい英・国がネックなら、受験本番まで点数は現状維持と思ったほうがよい。
地歴・公民がネックかつ、勉強が全単元終了していない場合は伸びしろあり!
伸びることを期待して、第一志望校はそのままに、併願校は増やすと安心。
アドバイス② 戦略的な過去問分析が、併願校合格の近道
合格ボーダーラインを1点でもオーバーするための戦略を練ることで、併願校は効率的に対策することができる。過去問で出題形式、配点、記述のレベル感を確認し、自分が強化すべきところを分析しよう。
必見!“併願校”過去問対策の4つの戦略
□理想は10年分、少なくとも3年分は過去問を解く
併願校に十分な対策時間をかけられないなら、 3年分だけでも解くと近年の傾向をつかめる。
□合格ボーダーに到達するには何が必要か考える
配点の高い教科や短時間で伸ばせる単元を チェックし、優先的に補強していこう。
□時間がなければ問題傾向を把握するだけでもOK
どの分野が頻出か、回答形式は選択式か記述 かなどの出題傾向だけは必ずつかんでおこう。
□過去問を解けるようになることではなく、問題の本質を理解するよう心がける
過去問と同じ問題が出ることはないので、出題 された問題の周辺分野の復習をしっかり行おう。
併願校に十分な対策時間をかけられないなら、 3年分だけでも解くと近年の傾向をつかめる。
□合格ボーダーに到達するには何が必要か考える
配点の高い教科や短時間で伸ばせる単元を チェックし、優先的に補強していこう。
□時間がなければ問題傾向を把握するだけでもOK
どの分野が頻出か、回答形式は選択式か記述 かなどの出題傾向だけは必ずつかんでおこう。
□過去問を解けるようになることではなく、問題の本質を理解するよう心がける
過去問と同じ問題が出ることはないので、出題 された問題の周辺分野の復習をしっかり行おう。
[Q.3]第一志望校合格のために、併願校スケジュールはどうすればいい?
どうしても行きたい志望校があります。
第一志望校は複数の学部を併願しつつも、滑り止めとして併願校も受験する予定です。
第一志望校で実力を発揮するために、併願校受験のスケジュール作りで気をつけることはありますか?
(高3・女子・情報学部志望)
第一志望校は複数の学部を併願しつつも、滑り止めとして併願校も受験する予定です。
第一志望校で実力を発揮するために、併願校受験のスケジュール作りで気をつけることはありますか?
(高3・女子・情報学部志望)
[A.3]体力的&精神的にベストコンディションで、第一志望校に臨めるスケジュール作りを
アドバイス① 第一志望校の受験日に体力・気力のピークがくるように日程調整。
複数併願する場合は、第一志望校の受験当日に疲れや精神的なダメージが出ないことが大切。第一志望校で最大限の力を発揮できるように、その前後で受験する順番、試験日の感覚を意識しながら日程を組もう。
併願校スケジュール設定の掟を公開!
一、 難易度が“右肩上がり”になるように設定
難易度の高い学校を初めに受けると、自信喪失 する可能性が。安全校から受験し、少しずつ自 信をつけていこう。
二、 共通テスト利用、資格利用などで負担減
個別の試験がない、英検®などの資格で点数加 算されるなど、少ない負担で受験できる方法を チェック。第一志望校対策に余力を残そう。
三、 第一志望の前日は休息日にあてる
本命校の前日は試験を入れないのが理想。でき れば2日おいて、体力・気力を温存してベストな 状態で本番に臨みたい!
四、 併願校の手続き締切日を確認
併願校の入学手続き締切日が、第一志望校の 合格発表の前だと、入学金の払い込みが必要 なことがある。保護者と事前に相談を。
難易度の高い学校を初めに受けると、自信喪失 する可能性が。安全校から受験し、少しずつ自 信をつけていこう。
二、 共通テスト利用、資格利用などで負担減
個別の試験がない、英検®などの資格で点数加 算されるなど、少ない負担で受験できる方法を チェック。第一志望校対策に余力を残そう。
三、 第一志望の前日は休息日にあてる
本命校の前日は試験を入れないのが理想。でき れば2日おいて、体力・気力を温存してベストな 状態で本番に臨みたい!
四、 併願校の手続き締切日を確認
併願校の入学手続き締切日が、第一志望校の 合格発表の前だと、入学金の払い込みが必要 なことがある。保護者と事前に相談を。
学部併願の場合は、出題傾向が同じか確認!
同じ大学でも、学部が違うと出題傾向がまったく異なる場合がある。すると、2つの大学を受験するのと同じくらい、対策に労力がかかってしまうことに。
その労力を割いてまで併願したいのか検討しよう。
取材を通して学んだのは「併願校次第で、第一志 望受験時のメンタルが全然変わる」ということ。
強い気持ちで実力が発揮できることを願ってるよ!