女子高生の肌トラブル解決法を皮膚科の先生に聞いてみた!
「ツルツル&スベスベのお肌になりたい!」というのは、女子にとって永遠のテーマ。特に成長期である女子高生は、お肌の状態が落ち着かず、ニキビや乾燥に悩んでいる人も多いよう。
全国の女子高生206人にアンケート調査をした結果、「肌について悩んでいる」と答えた人は78.6%と大多数!
そこで、具体的にどんな肌トラブルに悩んでいるのかということと、どんなふうに対策をしているのかをアンケート調査。
そして、みんなが実践している対処法は正しいのかどうかを虎の門病院の皮膚科部長でニキビ治療のスペシャリスト・林伸和先生に聞いてみた!
虎の門病院皮膚科部長。
「アクネ外来」を開設し、ニキビ患者の専門治療にあたるなど、長きに渡りニキビの専門的な研究、治療に携わっている。
日本皮膚科学会のニキビ治療ガイドラインの責任者を務めている。
肌ケアのためにみんながやっていること【ニキビ編】
・「洗顔の後、水で冷やす」(高3・北海道)
・「ていねいに保湿して、アクネケアの美容液を使う」(高3・大阪)
・「泡石鹸を使ってる」(高3・福岡)
・「皮膚科でもらった薬を塗っている」(高2・愛知)
なかなか治らなかったり、治ってもすぐにできてしまったりとニキビにはかなり悩まされているよう。
そんなニキビ対策として、みんなが実践しているのが「こまめに洗顔をする」という回答。特に「水で洗う」という答えが目立った。
洗顔後は、化粧水をつけて乳液を塗るなど、保湿ケアを入念にしているという人も。
林先生が教える「正しいニキビケア」
「高校生は皮脂の分泌が多く、毛穴につまってニキビになるケースがほとんどです。そのため、きちんと洗顔料を使って洗顔をして皮脂を落とすのがニキビを防ぐ方法ですね。
アンケートの回答には『水で洗顔する』という意見もありましたが、食器洗いと一緒で冷たい水では油が溶けにくく、汚れはなかなか落としきれません。
油分が多く分泌される高校生のうちは、1日2回を目安に、洗顔料を使ってぬるま湯でしっかり洗顔をしたほうがいいでしょう。
また、指が肌に触れないように泡を顔につけて洗い流すという人がいますが、さすがにそれでは汚れは落ちません。
ゴシゴシと強くこするのはよくありませんが、常識的な範囲でしっかりと洗顔をしないと、垢(あか)がたまって生じる“アカツキ病"という症状を発症することもあるので気をつけましょう」
「ニキビができるのは、ホルモンのバランス異常による皮脂の分泌亢進だけだと思いがちですが、実は肌への刺激が原因となる場合もあります。
例えば、いつも左手で頬づえをつく癖がある人は、左の頬にニキビができやすかったり、マスクで擦れる部分にニキビができたりということもあります。
最近は、洗顔ブラシを使用する人も増えているかと思いますが、どんなに毛先の柔らかいものを使っていたとしても肌への刺激が強くなる可能性があるのでオススメしていません」
「化粧水や乳液、日焼け止めなどを選ぶときは、ノンコメドジェニックテスト済みの商品を選ぶと安心です。
これは、ニキビができにくいことを確認している化粧品に記載される表記で、ドラッグストアなどで購入できる商品も増えています」
「インターネットで調べて独自のケアをしたり、思い込みで判断する前に、ニキビに悩んだら医師に相談することが大切です。
病院では、ニキビの中にたまった膿を出したり、菌を殺して炎症を抑える飲み薬や塗り薬を処方するなど、その人に合った適切な処置をします。
病院に通っている人でも、赤みが治ると通院をやめてしまうことが多いのですが、炎症が治まったあともしっかり根治するまで通い続けることで、今後のニキビ予防につながります」
肌ケアのためにみんながやっていること【乾燥編】
・「保湿ケアをする」(高2・福岡)
・「クリームを塗る」(高2・神奈川)
特に冬のこの時期は、お肌の乾燥が気になる高校生が多く、クリームやパックなどをこまめにして保湿ケアをしているみたい。
林先生が教える「正しい保湿ケア」
「アトピーなどの特殊な場合を除いて、高校生は皮脂の分泌が多い時期なので、実は乾燥肌の人はほとんどいないんです。
よく『肌がベタベタするのは、実は乾燥しているから潤いを保とうとして皮脂が余分に分泌されている』なんて話を聞きますが、実はそれを立証する十分な根拠は今のところありません。
皮脂の分泌が多く、ニキビができやすい肌質の人は、乳液やクリームを塗って保湿しなくても大丈夫。洗顔後にお手入れをするなら、ニキビ用、脂性肌用と記載されている化粧水を選んでさっぱりとした状態を保つことが大切です。
パックをする場合は、しっとり・保湿という記載のものよりも、引き締め・さっぱりというものを選ぶほうが、肌年齢には合っていると思います」
肌ケアのためにみんながやっていること【毛穴の黒ずみ編】
・「鼻の黒ずみを取り除くために、温めてから洗顔している」(高1・群馬)
・「毛穴の黒ずみが気になるので、スクラブ入りの洗顔料を使っている」(高2・京都)
林先生が教える「正しい毛穴ケア」
「思春期は皮脂線が発達する時期なので、毛穴も大きくなり、黒ずんでみえることがあります。
皮脂が溜まらないように1日2回洗顔料を使って洗顔してください。
黒ずみの正体は、産毛や毛穴の詰まりに含まれるメラニンです。ピーリングジェルを使用しているという回答がありましたが、説明書どおりの回数を守って使用するのは悪くないと思います。
スクラブ入りの洗顔料を使う場合には、強い刺激があるものは避け,ごしごしと強くこするのではなく優しく洗顔してください」
「メイクをした日は、しっかり落として毛穴の詰まりを取り除くことが大事です。
ニキビができやすいオイリー肌の人の中には、オイルのクレンジングを使用すると余計にベタついてニキビの原因になると思っている人もいますが、メイクの成分はオイルによく溶けるので、しっかりと洗い流せばオイルクレンジングは決して悪いものではありません。どんな種類のメイク落としを選ぶかよりも、最後にしっかりと洗い流して清潔な状態を保つことが重要です。
ちなみに、毛穴パックは、黒ずみを取り除くという意味では有効かもしれませんが、ギュウギュウと毛穴の中の皮脂を押しだす行為は毛穴周辺の肌に強い刺激を与えてしまうので、ニキビが悪化したり毛穴がかえって目立つようになったりするリスクがあります」
ひとりで悩まず医師に相談を
最後に、林先生から高校生にメッセージをもらった!
ニキビあとが残っている人と残っていない人で病院の受診年齢を比較したデータがあるのですが、ニキビあとが残っていない人は16歳くらいで受診していて、ニキビあとがある人は20歳くらいで受診していました。
高校生のうちに早めに受診しておけば、ニキビがあとにならずに素早く治る可能性が高いので、ぜひ医師に相談してみてください。
『これを食べるとニキビができるからダメだ』『これをやると肌が荒れちゃうからダメだ』と思いつめすぎると、ストレスになって余計に肌が荒れる場合もあるので、ひとりで悩みすぎずに気軽に受診してくださいね」
女子にとっては、ニキビが1つできるだけで気持ちがどんよりとしてしまうほどの大問題。
キレイなお肌になるためには、メイクをしっかり落として、時にはお医者さんに頼りながら正しく解決していくのが大切なのかもね。
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