高校生の強みと進路意識、震災後に起きたある変化とは?
高校生は自分の強みをどうとらえているのだろうか? また進路や将来についてどんな価値観をもっているのだろうか? 2つの調査結果をもとに、特色をピックアップしてみた。
1.強みは若さ、情報技術、携帯電話(※参照1)
高校生が自分たちの世代の強みとしてあげたのは、1位「若さ」6.7%、2位「情報・情報技術」6.4%、3位「パソコン・携帯電話」5.2%だった。
パソコン(ノート型パソコン所有率75.4%)と携帯電話(所有率72.2%)もしくはスマホ(所有率39.2%、2011年比24.3%アップ)を持ち、楽しみはSNSや動画・音楽コンテンツの視聴。もちろん毎日のようにネットを回遊し、最新情報をチェックする。
今の高校生は情報技術革新のただなかで、その便利さを十分味わっててきた世代だ。本人たちも日々進化する情報メディアへの適応力の高さは、上の世代に比べて自分たちの強みだと感じていることがわかった。
2.約7割が進学後の資格取得、将来の「手に職」を目指す(※参照1)
「進学先ではなるべく資格を取りたい」が74.3%、「将来は手に職をつけて仕事をしたい」が67.6%にのぼった。変化の激しい時代、堅実な道を選ぼうとする心理がうかがえる。
また「少しでも偏差値の高い大学に行ったほうがよい」(53.1%、2009年度比9.0%アップ)、「将来はなるべく大企業や有名な企業に入りたい」(42.7%、2009年度比3.4%アップ)などの項目にイエスと答える高校生が3年前の調査より増えている。客観的に評価される身分や肩書きを手に入れたいという現実主義の傾向も強まっているようだ。
3.ボランティア活動への意欲が高まる(※参照2)
2011年に起こった東日本大震災によって、「将来や進路の考え方に変化があった」と答えた高校生が13.8%いた。そのうち「社会や人の役に立ちたい」という変化をあげた高校生は25.9%だった。
また「ボランティア活動などに積極的に参加したい」(57.8%)、「毎日を大切に生きていきたい」(84.3%)などの項目は、前年度の調査と比べそれぞれ24.1%、16.8%アップと、大きく増加した。
こうして特色をあげてみると、今の高校生は情報技術に強く堅実志向で、社会貢献への意識も高い…。そんな「しっかりもの」の姿が浮かんできた。
参照1:「高校生の価値意識調査」(2012年7月リクルート調べ)
参照2:「第5回高校生と保護者の進路に関する意識調査」(2012年1月リクルート・全国高等学校PTA連合会調べ)