日本は人口減少社会へ!サバイバルのために高校生は何をすべき?

●2060年までに4000万人も減ってしまう!

日本の人口が減少期に入っていることは知っている高校生も多いはず。2008年の1億2808万4000人をピークに、若干の揺れ戻しはあったものの、ここ数年はじわじわと減少中。2012年の人口は前年から-28万4000人と、過去最高の減少幅を記録した。

 

今後はますます減少のペースが加速していく。予測されている人口の推移は以下のとおりだ。

 

2012年 1億2751万5000人
2020年 1億2410万人
2030年 1億1661万8000人
2040年 1億727万6000人
2050年 9707万6000人
2060年 8673万7000人

 

※2012年は総務省の推計、その他は国立社会保障・人口問題研究所資料より

 

これからの50年でなんと約4000万人減。ちなみに、カナダの総人口が約3400万人、ポーランドの総人口が約3800万人だから、この4000万人という数字がいかに大きいかがわかる。

 

●経済が低迷し、社会保障負担が増える
女性1人が子どもを産む人数が減っているのが人口減少の要因。その結果、産む世代の人口が減ってしまい、その下の世代はさらに減る…という流れがずっと続いているのだ。では、人口が減ると何が問題なのだろうか?人口問題に詳しい明治大学経済学部加藤久和教授に話を聞いてみよう。

 

「一つには経済が縮小していきます。モノやサービスを買う人が減るから、企業は今までのような売り上げが得られなくなり、経営が厳しくなります。人口も減りますが、仕事も減るので、雇用も厳しく、所得も増えないという状況になる恐れがある。もう一つは年金などの社会保障費の負担増です。今後激減していくのは働く世代の人口で、65歳以上の高齢者の割合は4割近くにまで増える。高齢者を支えるには、消費税10%程度ではとても間に合いません」

 

…なかなか暗い見通しだ。なお、「日本は人口が多すぎる。国土の大きさからみたら6000万~7000万人くらいがちょうどいい」といった意見もよく見かけるが、この見方は高齢者がこれほど多い状況を頭に入れていない。また、加藤教授によれば、そもそも人口はいったん減少傾向に入ると、ちょうどいいところで止めることは誰にもできないのだという。

 

●グローバルで活躍できる人材を目指そう
人口減少はもう避けられない事態。対策としては出生率の向上や移民政策などで、少しでも減少ペースを落ち着かせることくらいしかない。では、そんな人口減少時代に社会に出る高校生はどのように生きていけばいいのだろう?

 

「国内での売り上げが減っていくので、企業は今後ますますアジアをはじめとする海外に進出していくことになります。そのなかで活躍するにはグローバルに通用する人材になることが非常に重要になってくるでしょうね」

 

ここのところ「グローバル化」がしきりと叫ばれている理由は実はこんなところにもあるのだ。今の高校生が働き盛りの20年後、30年後には、グローバル化は今よりも相当進行しているはず。それに対応できる力を備えておくことがサバイバルのための条件になりそうだ。