現在、シンガポール日本人学校で教師をしています。子どもたちと一緒に過ごし、見守るなかで、一人ひとりの成長を間近で感じられるのは教師のやりがいのひとつです。思い切って新しいことに挑戦したり、できなかったことができるようになったり。そんなときの子どもの喜ぶ顔を見ると、こちらまで本当にうれしくなります。「先生が教えてくれたからできるようになった!ありがとう」「先生と出あったことは私や子どもにとって最高のプレゼントです」などと、子どもや保護者から感謝の言葉やほっこりする手紙をもらうこともよくあります。これは、教師という仕事が、誰かの役に立てる仕事だと実感できる瞬間です。
大学では、教具一つ工夫するだけで、子どもたちが楽しく活発に授業を受けてくれるということを学びました。教育現場で役立つ具体的な教えが多かったと思います。たとえば、学級通信については保護者向けの書き方、子ども向けの書き方の両方を学びました。そのおかげで、今では学級通信を通して保護者や子どもたちと繋がりができています。また、ボランティア活動で学校に行ったり林間合宿に行ったりして、たくさんの現場を経験できたのもよかったです。現場で教師はどんな動きをするのかなど、気になっていたことを実際に自分で確かめられました。こうしたことは、今の仕事にも十分に活かされていると思います。
普段の仕事では、子どもに安心感を与える言葉がけやきめ細かな指導、学びやすい環境づくり、飽きのこない授業を心がけるほか、子どもはもちろん保護者との関わり方にも十分に配慮しています。これからも教師として、心を澄ませて子どもたちの行動や言葉に気を配っていきたいと思います。そうすることで、1人でも多くの子どもが安心して学校生活を送れるようにするのが目標です。そのためにも、自分と向き合う時間を大切にして自分自身の性格や特徴を知り、長所や短所を理解するようにしています。自分だからこそできることを伸ばすために何をすればいいのかを常に意識し、アップデートするようにしています。
シンガポール日本人学校勤務/文学部 教育・心理学科(現:教育学部 教育学科 初等教育コース)/2012年3月卒業/小学校教諭の免許取得をめざして大谷大学へ。教育実習で子どもたちとの関わり方を学び、毎日授業をするうちにその楽しさを実感。ますます教師の仕事に興味を持った。子どもたちの成長を見るたび、教師としてのやりがいと感じている。大学選びのコツは、少しでも興味のある分野を選ぶこと。「面白そう!知りたい!という気持ちを大切にして挑戦してみてください。好きこそものの上手なれ!です」。また、学生のうちにボランティア活動などに積極的に参加して、教育現場をたくさん経験しておくことが社会に出てから役に立つと話す。