学校で身につけた礼儀や気づきの姿勢が役立っています
名前を覚えるのが苦手な利用者さんもいらっしゃるんですが、私から名前をいうよりも、利用者さんに「私の名前」をつけてもらうと、喜んで呼んでくださいます。ある利用者さんは「日本一の女の子」という意味を込めて、「富士子」という名前をつけてくれました。それで、お話するときに「私、誰ですかね?」と伺うと、「日本一の女の子だよね」と答えてくださいます。そうやって利用者さまとコミュニケーションできるようになることが、とても面白いです。利用者さんの状態は毎日変わりますから、他の職種の方とも前もってケアの仕方を相談していっても、当日になって一から考え直すこともあります。大変だけど、この仕事の面白いところです。
実はいまの職場には、小学生の頃の社会科見学で来ています。そのときは歌を歌ったりしました。「こういうところで働けたら楽しいんじゃないかな」「介護の仕事って素敵だな」と、その経験がとても印象的だったんです。高校生になってから改めて自分の進路を考えたときにも、人のためになる仕事でもあり、前から持っていたこの夢を大事にして、介護福祉士になるためにこの学校に進学しました。いまの職場である「老人保健施設」には看護師さんも常駐しています。学生時代に医療面の知識を学べたことも、連携して利用者さんへの対応をするのに役立っています。
小学生の頃、この仕事を志した施設で働いています
介護福祉士資格取得の勉強にはもちろん力を入れましたが、日々の生活や環境美化活動、ボランティア活動を通じて、人間性や礼儀を身につけることがこの学校の特色です。介護の仕事では年長者の方を相手にしますから、そのような態度を在学中に身につけることができて本当に良かったです。また、利用者さんとのコミュニケーションの基本は「話を聴く」ことです。真剣に話を聴いていることを感じてもらえると、楽しくなってどんどんお話していただけます。学校では「人の話を聞くときには、まずノートとペンを持ちなさい」からはじまって、「聴く姿勢」「周りのために自分ができることに気がつく姿勢」を修得することができました。
利用者さんと同じ視点でお話を伺うよう心がけています
老人保健施設一羊館 介護サービス部 介護科/群馬医療福祉大学短期大学部 医療福祉学科 介護福祉コース/2017年卒/小学生の頃に現在の勤め先に社会科見学に来たことがきっかけで、介護の仕事を志す。現在勤める「老人保健施設」は、病院と在宅介護の間に位置づけられるため、一般的に想像される「介護」以外にも、在宅への復帰を目標とする利用者のサポートも重要な仕事。利用者の方々とは祖父母と孫ほどの年齢差があるため、生まれ育った時代の違いや価値観の違いに、発見と驚きの多い日々を送っている。利用者の方々に安心してもらい、いきいきとした生活を送ってもらうことを目標に、現在は細やかで暖かいコミュニケーションを目指している。
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