卒業後、インターンシップに行っていた研究室に技術補佐員として勤務していた時のことです。僕が所属したのは免疫記憶に関わる研究を行う教室でした。当時、関わっていた研究では思うような結果にならず、技術補佐員として培った生化学的な実験手法を用いて、試行錯誤を重ねる日々…。とある日に求めていた結果を解析機器の前で目のあたりにしました。その研究結果は学術的に権威のある科学ジャーナルに掲載され、テレビや新聞でも報道されました。「このような感動をまた味わいたい」という想いが、研究者としてのモチベーションに繋がっているのだと思います。当時の発見を超える、常識をひっくり返すような大発見をすることが、いまの夢です。
僕は勉強が苦手で、高校生の頃はまともに大学受験対策もしていませんでした。受験も落ちて、受験勉強が続くのも嫌だし、働きたくもなくて。その頃、偶然見つけたのが東京バイオのオーブンキャンパスでした。そこで体験した「DNAを単離させる実験」にとても感動し、カリキュラムの半分は実験ということを聞いて、この学校ならたくさんの実験をして楽しく過ごせるんじゃないかと思って入学を決めました。入学後、しばらくは高校の延長みたいな感覚で過ごしていましたが、「教科書がつまらない!」と言っていた僕に先生が貸してくださった「分子生物学」の本がきっかけで、今の研究対象の「免疫学」という学問を知ることができました。
東京バイオの良いところは実験(実習)が多いことかと思います。教科書を読み上げての講義は寝てしまうこともありましたが、クラスメートと一緒に取り組む実験は楽しかったです。また、実習が多い=充実した手技の習得、というのは間違いなくあると思います。実際、大学院に入学した際、周りは大卒の同期でしたが、中にはピペットマンもあまり使ったことがない仲間もいましたから、実際に就職した際の即戦力という面で東京バイオの教えは良かったのではないかと思います。東京バイオの先生方は、学生の希望に寄り添いつつ、しっかり指導してくださり、僕自身、先生方との関わりのなかで進路を決めていくことができました。
東京慈恵会医科大学 細菌学講座/バイオテクノロジー科(4年制) DNAコース(現:遺伝子コース)/2006年卒/2006年4月より東京医科歯科大学 難病疾患研究所 免疫疾患分野にて、技術補佐員として勤務後、高度専門士を活用し、千葉大学大学院に進学。国立感染症研究所などの勤務を経て、2019年より東京慈恵会医科大学 細菌学講座 助教に着任。