無線センサーネットワーク(WSN)内処理とは、小型のセンサー端末が周囲の環境を検知し、データを収集したうえで、信号処理技術と組み合わせて、そのデータを復元するシステム。防犯システムや環境モニタリングなどに活用されています。私は、既存のデータ復元システムの利用範囲を拡大したデータ伝送システムに着目しました。例えば、ドローンで空影したデータをWSNで農家に伝送できれば、畑に行かなくても収穫のタイミングが確認できます。農業だけでなく、公園や鉄道の管理などにも利用できるでしょう。これを可能にするには、大量のデータをスピーディに復元する必要があります。現在は、その課題を解決するための研究に取り組んでいます。これからの通信のテーマは、海、森林、宇宙など「人がいる場所」から「人がいない場所」へと広がっています。
遅先生が担当する『プログラミングI』は、スクリプト言語「Python」を学ぶ授業。自力で便利なツールを構築するデータサイエンティストとしての基礎力を、演習形式で身につけていく内容です。授業では、Pythonとそれを取り巻く環境の多様性について学んだうえで、スクリプトの作成方法、デバッグ手法、基本文法、モジュール・オブジェクト・クラスの概念などを学習。さらに、その応用として、データサイエンスに欠かせないNumPyやSciPyなどの代表的なモジュールの使い方を、具体的なスクリプト例を動作・改変させながら学んでいきます。
高校までは一生懸命勉強するのに、大学に入学したら勉強しなくなるのはもったいないです。大学生活こそ、将来や仕事につながる大切な時間。「やってみたい」と思ったテーマに存分にチャレンジしてほしいと思います。
専門分野:知覚情報処理、数理情報学、情報ネットワーク、情報学基礎論、ヒューマンインタフェース、インタラクション
済南大学(ジナン大学/中国) 情報工学部 コンピューター科学と技術専攻 卒業。埼玉大学 情報システム学研究科 情報システム専攻 博士前期課程修了。埼玉大学 情報システム学研究科 理工学専攻 博士後期課程修了。研究に関するキーワードとして、信号処理、通信、適応フィルタ、無線センサーネットワークなど。