生活経済学のテーマは「自分が幸せになるために、お金について考える」ことです。そのためには一生涯を通して必要なお金を早い段階で見極めることが大切ですが、10~20代の若者にとって自分の老後をイメージするのは至難の技。そこで、授業では関連統計を参考に、自らの生活設計を立てるところから始めます。就職・結婚・出産・子どもの大学入学、さらに住居が賃貸だといくらかかるか等、具体的な事柄や費用を自分たちで調べ、考えます。それにより、何歳でどんな費用が必要か、老後に資産を残すには今何をしたらいいのかが見えてくるのです。
家計をやりくりする際、数字を理解できることは強みになります。億万長者になる必要はないけれど、一生を豊かに過ごすために、お金の基礎知識「ファイナンシャル・リテラシー」は大きな武器になるのです。
「ファイナンシャルプランナー養成コース」には、金融機関を目指す学生が多く在籍しています。そんな学生たちの取り組みのひとつに、名古屋証券取引所の株式投資コンテストがあります。300万円の仮想資金を元手に株式投資を行い、どれだけ資産を増やせるかをチームで競います。売買自体はバーチャルですが、実際に上場している株価が反映され、自分の判断が金額の増減に直結するため内容は実にリアル。金城学院大学のチームは、毎年上位入賞を果たすなど、大活躍しています。
生活経済学は、家計を預かる人にこそ必要な知識です。知識量があれば、判断・選択できる力が備わり、強く生きていけると信じています。一緒に学び、充実した人生を築いていきましょう。
数学の先生に憧れ、数学を第一希望、理科を第二希望として岐阜大学教育学部を受験。しかし家庭科専攻として合格。卒業後は静岡大学大学院教育学研究科に進学し、家政学分野の経済学ともいえる生活経済学と出会う。大阪市立大学大学院生活科学研究科で生活福祉学を専攻、後期博士課程退学。1992年度から金城学院大学に勤務。
1993年に日本消費者教育学会賞・研究奨励賞を受賞、1996年には日本家政学会賞・奨励賞を受賞。