「スポーツ×科学」はまだまだ未開発な分野。たとえば部活動やプロスポーツの現場ではコーチや監督の個人的な経験則に基づいた指導が主流で行われていますが「この指導、本当にあってるの?」と疑問を抱いたことはありませんか。「スポーツバイオメカニクス」はスポーツ動作を分析することでそれらを明文化、数値化するという新しい分野。これまで達人の技術は理論を超えた、いわばアートとして長らく扱われてきましたが本来、運動は人体が引き起こす現象ですから科学的手法を適用しやすいもののはず。個人の感覚・経験だけで伝えられてきたメソッドを科学的な理論や数値でまとめなおし、これまでの暗黙知をだれもが共有できる“形式知”に変換することで、アスリートのパフォーマンス向上に貢献できるのが「スポーツバイオメカニクス」の世界です。
「学生には積極的に発言することを推奨しています。ちなみに3年次の最初の半年間はバイオメカニクスの話すらしません。まずは論理的な思考を訓練します。バイオメカニクスについて追究するのは4年次以降。バイオメカニクスの勉強を通じて突破力を身につけます」と語る荒川先生。ゼミ生の全員が研究者になるわけではないので、社会に出てから役立つ力の養成を重視しているそう。「ゼミの研究は山登りみたいなものでゴールではなく鍛錬。しっかり心肺機能や足腰を鍛えれば、下山(卒業)してからも学生は独りで歩いて行けるでしょう」。
例えばRPGでキャラクターのレベルを上げると満足感ありますよね。勉強は自分を成長させることで理想の就職などにつながってホクホクできるエンターテイメントです。一緒に楽しく勉強しましょう!
専門分野 バイオメカニクス・トレーニング科学。中・高で野球、大学時代は総合格闘技に取組んできた荒川先生。その後スポーツ科学の分野に興味を持ち東京大学大学院総合文化研究科では腱をコンピュータ・シミュレーションする研究に没頭。修了後には国立スポーツ科学センターで研究員としてレスリングのナショナルチームをサポート。現在は、バイオメカニクス的観点から選手のパフォーマンス向上に関わる研究をしています。