スポーツというとみなさんは何をイメージしますか。部活動をしている人は、自分のしているスポーツを思い浮かべるかもしれませんね。私はずっと陸上競技(中長距離走)一筋でしたが、スポーツの多様性に気づいたことで、スポーツを研究したいと考えるようになりました。特にサーフィンやスケートボードなどのエクストリームスポーツに着目して、スポーツと文化をテーマに研究しています。台湾に搶孤(チャングー)という伝統行事があり、私も実際に参加したのですが、高い柱を登る競技はなかなかハードな「スポーツ」です。伝統行事というと若者離れのイメージがありますが、でも過激な側面には若い人はひかれます。それはエクストリームスポーツと同じ構造ではないか、ということを研究しているのです。新旧をあわせて見ることに面白さを感じています。
「あ、こんなスポーツもあるんだ、という気づきが大切です」と豊島先生。勝敗にこだわらず自由な発想で行われるスポーツ、人々の生活を支えるスポーツなど、スポーツと一口に言っても幅広い。「スポーツのさまざまな側面を知ってほしいと思います。また、スポーツを批判的にとらえることで課題が見えたり、新しい発想が生まれたりすることもあります。私も柔軟な姿勢で学生一人ひとりと向き合っていきます」。陸上競技やマリンスポーツ、ウインタースポーツなどの科目も担当。高校生向けのオープンセミナーでは体験授業も行っている。
スポーツについて学ぶことは、人生をより豊かにすることにつながります。人生100年時代、健康を維持するためにもスポーツは欠かせません。スポーツの多様性を知り、人間の考え方や文化を理解していきましょう。
【専門科目】スポーツ人類学、スポーツ社会学
関西学院大学社会学部社会学科卒業、天理大学大学院体育学研究科修士課程修了、広島大学大学院人間社会科学研究科博士課程後期修了。博士(学術)。
広島大学スポーツセンター研究員、天理大学、広島文化学園大学、呉工業高等専門学校での非常勤講師を経て、2025年4月くらしき作陽大学に着任予定。