私の最近の研究テーマは「統計教育・データサイエンス教育」。日本統計学会統計教育委員会の委員として、日本における統計教育・データサイエンス教育の遅れを感じ、学習効果を上げるコンテンツの開発や研究者や教育者に向けたワークショップ・コンペティションの開催などに従事してきました。多くの企業で業務のデジタル化やAIの活用が進む中で、人の行動や意識を適切に測り、そのデータに基づき問題発見・企画提案ができる人材はますます需要が高まっています。従来の平均値や分散の値を求める統計などは統計的リテラシーとして大切ですが、コンピュータを使えばすぐ値は出せます。それよりも、統計データから課題を見つけ、統計的に解決する力を身につけることが重要。学生にはデータを活用して、データで語れる人材になってほしいと考えています。
竹内先生のゼミでは、企業連携PBL(Project Based Learning)や学外のビジネスコンテストに積極的に参加しています。マーケティングリサーチ会社との協同プロジェクトでは、ある化粧品会社の「若年層への認知度の向上」というビジネス課題に挑みました。「データはあくまでデータ。それを使ってどうコミュニケーションを図るかが大切です、マーケティング、心理学、法律など幅広い視点で課題解決にあたっていけるのも人間社会学部ならでは。文系の学部で統計・データサイエンスを学ぶ意義は、まさにここにあると考えています」。
社会では「正解のない問題」に対面することが多くあります。そんな時にデータを適切に処理して活用し、データを根拠として「妥当解」を見つける力が必要になります。統計的思考で一緒に問題を解決していきましょう。
専門:統計科学
鹿児島大学大学院 理工学研究科修了。博士(理学)。2001年に立教大学社会学部助手、2004年から実践女子大学人間社会学部専任講師に就任。准教授を経て、2017年より現職。統計関連および数学・情報教育関連の学会に所属し、日本統計学会代議員および理事、統計教育委員会委員長、日本計算機統計学会評議員・理事、日本分類学会幹事長・評議員、数学教育学会評議員・統計情報教育分科会担当などを歴任。