DNAやRNAといった核酸の研究を発展させ、病気の原因となるタンパク質生成を制御するなど新たな治療法の可能性を拓く。ワクチンなどでも期待が高まる分野の専門家、張 功幸先生とゼミの学生さんにお話を聞きました。
研究室では、核酸医薬品に利用できる人工材料の開発や核酸を化学合成する方法の研究などを行っています。その過程で身につく作業スキルは多くの医薬品関連企業や研究機関で大いに役立ちます。また研究の達成には多角的なアプローチにより本質を見極めることが重要であるため、様々な知識・技術を組み合わせて物事を論理的に考える能力も磨かれます。卒業生は医薬品関連企業への就職のほか大学院進学が多いことも特徴です。
高校時代は化学が正直苦手だった私ですが、授業で基礎からしっかり学ぶことで理解を深め、基礎的な実験を多く体験して研究のためのベースづくりができたと思います。いま研究室では、人工核酸が生体内でどれだけ安定であるかなどを調べています。その実験に使う機械は、製薬会社などでも実際に使われているものです。最新設備を扱うスキルも身につけて、将来は医薬品の安全を守る品質管理の仕事に就きたいと考えています。
「薬を飲んで病気が治るってすごい!」という驚きが、薬学を志した動機です。現在は「核酸医薬品」につながる研究分野で、化学反応を組み合わせて、より安定性・安全性の高い核酸を創り出す研究をしています。研究はとても地道なものですが、仮説・実験・検証を繰り返す、そのサイクルこそが面白い。検証を重ねて成功した時の感動はひとしおです。これからも地道な研究を繰り返しながら、医薬品の進化に貢献できたら嬉しいですね。