大学院時代は米と大麦、いわゆる「麦飯」の炊飯について研究していました。米と大麦を一緒に炊く「麦飯」は、炊飯中に米の酵素が大麦のでんぷんに、大麦の酵素が米のでんぷんに作用するという相乗効果で糖の生成が促進され、甘味が増します。そのメカニズムを、タンパク質を分子量で分けたり、可視化したりする「ウエスタンブロッティング法」や「免疫染色法」を活用し、炊飯中の酵素の動きを見ることで解明。学会での発表も行いました。試食や官能評価も多い調理学の分野は、食べることが好きな私にはぴったりだと思っています!また「調理」を様々な手法によって科学的に解明し理論を確立することで、豊かな食生活への貢献ができる分野なので、食を取り巻く環境が変わろうとしている今、ますます盛り上がっていく研究領域だと感じます。
調理学、応用栄養学、応用栄養学実習、フードコーディネートなどを学びます。フードコーディネートでは、盛り付けや色の組み合わせ、テーブルマナーのほか、簡単な焼き菓子をつくってテーマ別のコーディネートを行う時間もあります。ゼミでは、韓国の食文化や糠漬け、スパイス、食品ロスなど幅広いテーマを取り上げています。韓国の食文化では、調味方法の日韓比較をはじめキムチ、餅、各種料理について調査、調理を行い、官能評価を実施。嗜好性を検討しました。ゼミ活動を通して、情報収集力、問題解決力、論理的思考力を身につけます。
食に関わる職も多様化しています。栄養士の知識が給食の現場はもちろん外食・中食産業や美容・スポーツ業界でも活用され、調理の分野では新しい調理法が求められる時代。人を幸せにする「食」について考えましょう!
専門:調理学 実践女子大学管理栄養士専攻を卒業し、管理栄養士の国家資格を取得。その後、同大学の助手として勤務。学生の卒業研究の補助や学会発表を通して、研究の楽しさや調理学の面白さに魅了された。その後、お茶の水女子大学・人間創成科学研究科ライフサイエンス専攻に進学。調理学研究室で米と大麦の炊飯に関する研究の取り組み、博士号(生活学科)を取得した。