私の専門は、視能矯正学です。視能矯正学は、視能訓練士の国家試験問題の6割を占めるといわれています。とても難しい分野ですので、わかりやすくおぼえやすく、そして興味を持てるように学生に伝えています。視能訓練士の仕事は、眼科の検査や健診業務、見えにくさの解決を支援するロービジョンケア、斜視や弱視などの訓練指導と多岐に渡ります。基本的に高いコミュニケーション能力が必要になるので、常に相手のことを考えて行動するよう指導しています。手技さえ覚えれば仕事ができると思うのではなく、「考える視能訓練士」になってほしいと願っています。たとえ学校の実習だとしても、自分は白衣を着た視能訓練士だという気持ちで学んでほしいですね。普段から患者さんと接しているつもりでいれば、臨床実習に出た際に困ることがなくなりますから。
ものづくりが好きだという吉田先生は、授業にさまざまな手作り教材を取り入れています。学生に手作りしてもらうことで理解を深められるようなしかけも。「耳・眼・手・頭・体と心を動かしながらの学習を心がけています」と吉田先生。眼の仕組みはとても複雑で、覚えることもたくさんあるため、どうしても苦手意識を持ってしまう学生が多いようです。とくに最初が肝心ということで、吉田先生の授業には、苦手意識を持たずに学べるような工夫がちりばめられています。一つひとつを理解しながら進むことで、着実に知識が身につきます。
人間が視覚から得る情報は、80%~90%と言われています。視能訓練士は「見る」ということをお手伝いする、とても素晴らしい仕事です。ぜひ国家資格を取得して、人の役に立つ仕事をめざしてください。
専門/視能矯正学
略歴/視能訓練士資格取得、中学校・高等学校美術教諭免許取得。得意なものづくりを活かし、手作り教材などでよりわかりやすく興味を持ちやすい授業を展開している。