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私立大学/岐阜
徹底した実践教育で定評のある教員養成力と就職力の高さはそのままに、大規模なカリキュラムの見直しで、時代に求められる人材の育成を目指します。
考古学とは
遺跡や遺物を通じて、人の過去を探る
考古学とは、遺跡やかつての集落だったと思われる土地を掘り起こし、当時の生活を物語る品々を発掘調査し、文字のない時代の様子を明らかにしていく学問です。考古学を学べる学科では、歴史や国内外の地域史を学びながら、実習を通して発掘調査の技術を身につけるというのが一般的です。卒業後は、発掘調査の仕事に就く先輩もいます。また学芸員として文化財の保護・活用に携わるという選択肢もあります。
考古学の学び方
-遺物から人類の歴史を明らかにする
歴史の教科書には、旧石器時代の人々は竪穴式住居や石器を利用して暮らしたと書かれています。しかし文字のない時代のことがどうしてわかるのか不思議だとは思いませんか。書物や資料がなくとも、遺跡を掘り起こしていくと建物跡や道具がみつかり、当時の暮らしぶりが見えてくるのです。そういった調査・研究に取り組む学問が考古学です。考古学の目的は人類の歴史を明らかにすることです。その点、歴史学と似ていますが、歴史学が文字で書かれた資料を頼りにするのに対し、考古学は土の中から発掘された道具や服飾品、食べ物といった、いわゆる遺物から人々の活動を明らかにするという点に特徴があります。考古学の研究領域は人類誕生以降、すべての時代が研究対象となります。ですから、江戸時代に使われた玩具や、昭和時代に造られた防空壕なども、研究テーマにしますが、地球上に人間が現れる前に生きていた、恐竜の化石などは対象としません。
-発掘調査から報告まで
資料乏しい歴史を解明していく考古学ならではの調査が、遺跡や遺物の発掘です。労力を要する作業ですが、ささいなことも見逃せない緻密さが求められますから、測量1つにもさまざまな機器を用いますし、ノートやカメラでどこからどんな物が出てきたのかをもらさず記録していきます。発掘作業の醍醐味といえば、やはり遺物の発見です。何千年もの間、誰も触れていない遺物を掘り当てたときの感動は、発掘者にしか味わえないといいます。発掘したものは、研究室に持ち帰って土などを落とし、場所や地層、状態などを記載した名札をつけて、素材や使いみちによって分類します。土器や石器などの破片は、色や形や模様などに注目しながら、ジグソーパズルのようにつなぎ合わせて復元します。破片が見つからなければ石膏で埋める、復元が困難であれば、表面に紙を押し付けて凹凸をうつしとる拓本という方法もあります。最終的には、写真を撮影して、出土品の情報や歴史的意義などを報告書にまとめます。遺物はその後、博物館や埋蔵文化財センターに保管され、貴重な教材・資料になります。こうした研究の積み重ねが、考古学の発展を支えています。
-実習を通して発掘調査の技術を身につける
考古学を学べる学科としては、「歴史学科」「史学科」「文化財学科」「歴史遺産学科」などがあります。これらの学科では、考古学の歴史や国内外の地域史を学びながら、実習を通して発掘調査の技術を身につけるというのが一般的です。
-考古学の一般的なカリキュラム
1年次には「考古学入門」「考古学概説」や「日本史」「西洋・東洋史」などを履修して、考古学を学ぶうえでの基礎的な知識を得るというのが一般的です。2年次になると、発掘調査に必要な技術を学ぶ授業が始まります。「フィールドワーク」「調査実習」などを通して、発掘現場や博物館などに足を運びながら、遺物の発掘や測量、観察、資料化など、一とおりの技術を身につけます。さらに選択科目として、国内外さまざまな地域の歴史を学びながら、自分の興味を探ります。大学によっては外国語を学び、専門書を原文で読む授業もあります。3年次になると、発掘現場で本格的な「発掘調査」を経験します。1~2週間合宿をし、同期や大学院の先輩と寝泊まりしながら、発掘作業を行う大学もあります。また遺跡を発掘する技術だけでなく、遺物を文化財として適切に管理する方法を学ぶ授業のある大学も増えています。3年次の後半になると、卒業論文の執筆に向けて研究テーマを決定。4年次には卒論執筆に力を入れ、完成を目指します。
-大学によって学べる内容はさまざま
考古学を学べる学科としては、「歴史学科」「史学科」「文化財学科」「歴史遺産学科」などがあります。「歴史学科」や「史学科」では考古学や歴史学に特化して学ぶ傾向にあります。そのため日本史、アジア史、オセアニア史、オリエント史、エジプト史など、特定の地域の歴史を深く学べる授業があったり、ラテン語、ヘブライ語、ギリシア語などを学んで、外国語で書かれた考古学の専門書を読む授業などもあります。大学によって得意とする分野が異なるので、興味のある地域が決まっている場合には、そうした分野を専門とする先生がいる大学を選ぶのが得策でしょう。また、北海道の大学ではアイヌ文化、沖縄の大学では琉球文化や台湾の地域史、青森の大学では縄文遺跡などを対象とした、地域に根ざした授業を行っています。さらに発掘調査にしても、大学によって実施期間や場所は異なりますから、4年間でどれだけ経験できるかも重要なポイントになるでしょう。「文化財学科」や「歴史遺産学科」では、考古学や歴史に関する授業は比較的少なく、その分、美術史や美術鑑賞、史料学、世界遺産論などが充実しており、博物館や行政機関、地域の中で文化財をどのように保存・活用するかといったことに着目した研究も進んでいます。博物館や遺跡公園、観光地などにおける文化財活用の重要性が高まっており、そうした分野での活躍も期待されています。
-歴史はもちろん、理系の知識も必要
考古学を学ぶとなると、歴史に関する文献を読んだり外国語を学んだりと、文系的な学び方が多いイメージがありますが、発掘された遺物から情報を引き出す際には理系的な手法を用いることが多々あり、理系の知識も求められますし、身についてきます。例えば、遺物を分析するときに用いられる「放射性炭素年代測定法」は、遺体などに含まれる炭素量から生存した年代を明らかにするというものですから、化学や生物学の知識が必要となります。近年では理系分野との連携が進んでおり、新たな発見につながる事例が増えています。例えば、これまで撲殺説だったツタンカーメン王の死因ですが「CTスキャン」によって伝染病によるものと判明しました。これから考古学を学ぶうえでは、最新の科学技術を把握しながら学ぶ姿勢も求められるでしょう。
-地道な作業が続く
考古学を学ぶうえで欠かせないのが、土の中から遺物を発掘する「発掘調査」です。大学の授業では、発掘現場を訪れて発掘作業を経験します。ザクザクと遺物が掘り出されるかというとそう簡単にはいきません。発掘現場を2メートル四方に区分けして、遺跡や遺物を損なうことがないようスコップなどを使って慎重に土を剥がすという地道な作業が続きます。遺物が出ないことも少なくありませんが、忍耐強く掘り続けなければなりません。大学によっては1~2週間合宿をして現地で寝泊まりをし、汗と泥にまみれながら連日掘り続けますから、そうした作業が苦にならないという人が向いているでしょう。
-細かな作業が好きな人にも向いている
発掘調査は一人で寡黙に進めるものと思われがちですが、実際には掘る人、計測する人、記録する人、全体の指示を出す人など、役割分担をしながら進めていきます。チームワークがものをいう現場ですから、みんなで協力することが好きという人が向いています。その一方で発掘後には、顕微鏡でじっくりと観察したり、土器や石器などの破片をつなぎ合わせて復元するといった作業が待っていますから、細かな作業が好きな人にも向いているといえるかもしれません。
考古学 学びのフィールド
まず、人類の歴史を探究する考古学は「歴史学」の一分野に位置づけられます。特徴的なのは、歴史学が書物を資料とする一方で、考古学は遺物(もの)を資料にするという点です。そのため、文字のない時代や書物が残っていない一般の人々の生活なども明らかにできます。また、「文化人類学」や「民俗学」でも生活道具を研究対象としますが、文化人類学や民俗学は伝承や風習など、形のないものも研究対象とする点に違いがあります。さらに考古学では土器や石器といった、いわゆる埋蔵文化財の保存方法を学びますから、「文化財科学」にも類似しますが、文化財科学は仏像や古寺などの文化財も対象とする点に違いがあります。また、考古学はあくまで人類の歴史を研究対象としますから、恐竜の化石などの研究は「地質学」「古生物学」の役割です。
<考古学>
●考古学概説
遺跡・遺物の発掘・調査を踏まえて古代の文化を研究し歴史を再構築していく。
●考古学実習
地形測量、土器の復元、図面トレースなど、修復、保存技術を修得し、遺跡発掘研究を行う。
<古代史>
●古代エジプト史
古代エジプトの歴史を研究する
●古代オリエント史
古代メソポタミア、インダス、黄河の歴史を研究する
●古代日本史
縄文時代、弥生時代など日本の古代史を研究する
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