実験動物施設の建築および建築設備をとおして私たちの生活を考えてみませんか?
理工学部 建築学科 教授 蜂巣浩生
実験動物は医学,薬学,生物学などの広範な分野で使用され,安全性試験や毒性試験などでの動物実験から得られた結果は我々の暮らしを支える重要な役割を果たしています。この動物実験成績の信頼性・再現性の保証を得るためには,実験動物を取り巻く環境が適切に制御されていることが要件の一つとなります。環境因子には様々なものがありますが,それぞれの因子は単独で作用するものではありません。多くの因子が複合した形で動物の生理・生態に影響を及ぼします。さらに,その影響は動物実験の結果をも左右するのです。それ故,環境の「適切な制御」について新たな発想に基づく再検討や環境基準値の見直しが重要となってきます。また,「実験動物施設の建築・建築設備を総合的に評価する方法」の確立に向けた研究も行っています。実験動物施設の使用者自身が,施設の運営状況をトータルな視点から時間を掛けずに容易に評価できる方法を提案すべく,専門家の方々にもご協力いただきながら研究を進めています。実験動物のための環境だけでなく,実験動物アレルギー対策を含む労働環境衛生にも目を向けなければなりませんし,必要な環境を維持しつつ省エネルギーも図れる設備や制御手法も考えていく必要があります。どのように環境を制御することが,実験動物にとっても,施設で働く作業者・研究者にとっても適切なのか,多くの課題が残されています。
平素当たり前のように過ごしてしまっている我々自身の生活環境を全く異なった視点から眺めてみるのも面白いのではないでしょうか。
平素当たり前のように過ごしてしまっている我々自身の生活環境を全く異なった視点から眺めてみるのも面白いのではないでしょうか。
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日本大学 理工学部 建築学科
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