
新しい命を取り上げる瞬間は何よりの喜びです。
私が勤務する総合周産期母子医療センターでは、早産や多胎妊娠(双子以上の妊娠)、高血圧や糖尿病等の合併症など、出産リスクの高い妊婦さんを多く受け入れています。病状や経過、希望する分娩方法はそれぞれ違うので、妊婦さんと密にコミュニケ―ションを取り、最適な方法を検討します。そして分娩時には一番近くで母子の状態を見守り、安全な出産をサポートします。新しい命を取り上げる瞬間は、何度経験しても幸せな気持ちになります。また妊婦さんを対象とした母親教室を行い、健診時や産後に赤ちゃんのケアや授乳などの相談に乗るのも助産師の仕事。妊娠から出産、子育てまでを継続して支られるのも大きなやりがいです。
高校時代に、病院で働く母から勧められたのが看護師に興味を持ったきっかけです。その後、より専門性が必要な助産師という職業を知り、別科助産学専攻のある名古屋学芸大学に入学しました。看護学部では母性看護学をはじめ、さまざまな領域の看護学を学ぶとともに、多くの実習・演習で実践力を養いました。3年次の「母性看護学実習」では、精神疾患のある褥婦さん(出産後の女性)を担当し、育児に対する不安が和らぐよう看護を実践。すると次第に気分も安定し、退院時には赤ちゃん共々元気な姿で送り出すことができました。その際、「ありがとう」と声を掛けてもらったのがとてもうれしく、本格的に助産師をめざす気持ちが固まりました。

妊婦さん一人ひとりの悩みと向き合っています。
助産師をしていて思うのは、妊婦さんが100人いれば100通りの支援が必要ということです。陣痛後すぐに生まれる方もいますが、長い方は1週間かかることも。痛みの感じ方も人それぞれですから、妊婦さんの様子や子宮口の開き、胎児の心音などを確認しながら、分娩室に行くタイミング、緊急の場合は帝王切開が必要かなどを判断し、安全な出産へと導きます。ただし、必ずしも無事に生まれるケースばかりではありません。呼吸ができない新生児には心肺蘇生を行って命をつなぎ、亡くされた場合は母親の気持ちに寄り添い、赤ちゃんとの最後の時間を大切に過ごせるよう環境を整えるなど、それぞれの出産をより良いものにできるようにしています。

助産技術と専門知識を日々磨きつづけています。

JA愛知厚生連 安城更生病院 勤務/看護学部 看護学科/2022年3月卒/別科助産学専攻2023年3月卒/岐阜県郡上市出身の直井さん。大学進学の際は、関西から関東まで幅広い学校の中から、「立地の良さ」と「別科助産学専攻があること」を決め手に、名古屋学芸大学を選んだ。看護学部は、先生方がとにかく優しく、進路相談や国家試験対策など親身にサポートしてくれたそう。別科助産学専攻では、妊娠期の保健指導法やNCPR(新生児蘇生法)、産後ケアなど、妊娠から出産、産後まで、周産期の母子の健康を支える総合的な知識やスキルを習得。産婦人科病院でのインターンも含め、学びの全てが現在の仕事の基盤になっています。
※この画面の情報は、すべて取材した時点でのものになります。



