高糖度ミニトマトの栽培管理者として、栽培面積約9.5アールのハウスを4棟担当しています。栽培管理から収穫、選果(出荷するためのサイズ分けや検品作業のこと)、出荷までが私の主な仕事です。この仕事をしていて一番うれしいのは一生懸命育てたトマトを食べたお客様が「美味しい!」と喜んでくれた時です。私が作ったトマトを楽しみにしてくれているお客様がたくさんいると考えると「さらに美味しいトマトを作ろう!」と思います。夏は冬に比べてトマトの成長スピードが早く、たくさんのトマトを出荷することになるので朝から夜まで忙しいですが、お客さまの笑顔を想像すると、大変だったことも吹き飛びます。
花が好きな祖母の影響で幼い頃から植物に関心がありました。また、小学3年生の時に学校の行事で田植えや稲刈りを体験して農業に興味を持ちました。自分たちが植えた小さな稲が日に日に大きくなっていく過程が楽しくてずっと記憶の片隅にありましたし、稲刈り後に食べた塩おにぎりがすごく美味しかったこともよく覚えています。あの充実感を感じたいと考え、農業分野を選びました。オイスカ開発教育専門学校を選んだのは五感で自然を感じられる学校だと考えたからです。学校の目の前に田んぼが広がり、すぐそばに浜名湖がある環境の中で教科書にとらわれない実践的な農業を学ぶことができたと思います。
より多くの作物を栽培した経験が農業をする上で必要な勘を養ってくれると思ったので、私はなるべく多くの作物に触れるようにしました。印象に残っている授業は学生一人ひとりが育ててみたい作物を自由に育てる「課題研究」です。私にはない発想で栽培・管理する仲間を見て刺激を受けることができました。農業で使う基本的な言葉や手順は学校で学んで身についていたので仕事内容が頭に入りやすかったですし、在学中に取得した資格や免許も現在の仕事で役立っています。また、暑いハウス内で作業する時や重い荷物を運ぶ時も苦労しないのは農業実習で体力がついたからだと思い感謝しています。
学生のときにしかできないことを意識し、できるだけ有意義な時間の使い方をしてください。留学生をはじめ外国の方や地域の方との交流も多い学校です。自分から関わりを持とうと努力することで積極性やコミュニケーション能力が身につきやすい環境だと思います。私はさらにコミュニケーション能力を磨くため、学外での販売実習やボランティアにも積極的に参加するようにしていました。どんな時も学校の雰囲気は大切だと思います。この学校はアットホームで先生方も暖かい方ばかり。資格試験に合格した時には自分のことのように喜んでくださったり、授業の合間や放課後に様々な相談にのってくださったりすることもありました。
株式会社サンファーム軽井沢勤務/国際協力科/2021年卒/長野県北佐久郡軽井沢町にある「サンファーム軽井沢」に入社して2年目。甘くて美味しい「アメーラトマト」と「アメーラルビンズ」というトマトを栽培している。最低糖度をアメーラトマトは7.5~8.0度以上、アメーラルビンズは10度以上と厳しく設定。独自の栽培システムを用いて周年栽培することで、年間を通じて安定した品質のトマトを出荷している。心掛けていることを聞くと、「植物は生産者に似ると言われています。アメーラトマトやアメーラルビンズのようにイキイキとした表情で働く農業従事者になりたいです」と語ってくれた。