ニートを支援する「サポステ」とは?

若者の就職は全般的に厳しい状況にあるが、なかでも、全国で60万人いるとされているニート(15~34歳の若者で、仕事に就いておらず、家事も通学もしていない人)等の若者の就労支援は社会的にも大きな課題。

 

そんななか、注目されているのが、厚生労働省と地方自治体が協力して取り組んでいる地域若者サポートステーション(サポステ)事業だ。

 

サポステでは、専門家によるキャリア相談のほか、人前が苦手な人のために、面接の練習や、少人数でのフリートークを通してコミュニケーションスキルを高めるプログラムなどが行われる。また、協力企業での就労体験などもあり、ニートをはじめとする若者の自立などを地域ぐるみでサポートしてくれる。

 

2012年度は全国に116カ所設置されており、厚生労働省は、2013年度に140カ所にまで増やすことを目指している。高校との連携もさらに強めていく方針だ。

 

ポイントは、若者の就労支援に実績がある民間のNPO法人(特定非営利活動法人)などが運営に当たっている点だ。若者支援のノウハウをもつ専門家、スタッフが相談や支援を行っているため、ツボを押さえたサポートが可能なのだ。

 

「サポステの支援によって就業などの進路決定を実現した人の数は、2011年度で1万2165人に上りました。この数は年々増加しています」(厚生労働省 職業能力開発局 キャリア形成支援室)

 

若者がニート化してしまう要因の一つが、高校・大学などを卒業・中退し、進学も就職もしなかった場合、社会との接点が失われて孤立してしまうこと。きっかけが得られず10年以上社会復帰できないケースも珍しくない。学校と社会との間の橋渡し役が必要という指摘は以前からあり、まさに今、サポステがその役割を果たしつつあるのだ。

 

高校生にとっては、もちろんニートにならないことが第一だが、誰にでもそのリスクはある時代。イザというときのために「サポステ」の存在は頭に入れておこう。