高校生にも知ってほしい!女子学生のための「ホワイト企業」ランキング

最近、「ブラック企業」という言葉をよく聞くようになった。高校生のみんなも、「就職することすら難しいかもしれないのに、入った会社がもしブラック企業だったら…」と不安に思うことがあるんじゃないかな。

 

そんな中、昭和女子大学が「女子学生のためのホワイト企業ランキング」を発表した!「ホワイト企業って何!?」「どうやったら見分けがつくの?」など、気になることを取材してきたよ!

 

進学を考えている高校生にとって、“就職”はまだ少し先のことかもしれないけれど、自分が目指したい方向を選んで進むという意味では、進学も就職もつながっている。特に女子高生には、将来自分がどんなふうに働きたいかを考えるヒントがつまっているので、ぜひ読んでほしい。

 

「女子学生のためのホワイト企業ランキング」を発表したのは、昭和女子大学の女性文化研究所。学長であり、研究所の所長でもある坂東眞理子さんは、このランキングを作った目的や背景について次のように説明する。

 

「今の大学生は就職活動の時、『とりあえずブラック企業は嫌だ!できるだけ名の知れた有名企業に入りたい!』という気持ちが強いようです。それに対して私たちは長い人生をどう生きるかを考えたうえで、有名かどうかにかかわらず、自分が働きやすい、隠れた中堅のいい企業を探すように伝えています。では『自分が働きやすい、いい企業』って、いったいどう探せばいいのか? その視点、選ぶ基準を提示したいという思いから、この『ホワイト企業ランキング』の発表を始めました」

 

高校生にも知ってほしい!女子学生のための「ホワイト企業」ランキング

昭和女子大学学長で同学の女性文化研究所所長を務める坂東眞理子さん

 

ランキングの指標としては数多くのデータのうち「女性の勤務年数」と「女性の管理職登用数」の2つを特に重視している。なぜなのだろうか?

 

「女性の勤務年数が長いということは、女性にとって家庭をもっても働きやすく、長く勤められる会社ということですから、これは欠かせない大事な指標です。もうひとつ女性の管理職登用数を重視したのは、一生懸命働いた先に、きちんとその仕事が評価されて10年後・20年後にもやりがいを感じる仕事ができることが大事だと考えているからです。この2つの基準で、『女性が長く働けて、活躍できる』と思われる企業を『ホワイト企業』と選定させていただきました。

 

実は同じデータをもとに学生も「ホワイト企業ランキング」を作っているのだが、学生が重視したのは「30歳の平均賃金」「女性定着率」「残業手当」「有給取得率」など、大学側の基準とは異なる指標だった。「学生は、ブラックでないことや、目先の働きやすさや待遇の良さを重視しているように感じます。今回、学生も自分の視点でランキングを考えてみることで、我々大人の基準との違いに『そんな見方もあるんだと、初めて気づきました』という反応が多かったですね」

 

坂東学長は高校生にも、将来の仕事を考えるときは、目先の待遇や働きやすさだけでなく、10年後・20年後にも「やりがい」をもって働けるかという視点をぜひもってほしいという。また、進学先の学校選びについても、こんなアドバイスをくれた。

 

「これまで、日本の企業は採用した後、時間をかけて社員を育てる余力がありました。しかし21世紀の今、企業には採用してから育てる余力はなく、その役割は大学や専門学校に移っています。高校卒業後、進学を考えているなら、自分が社会に出る前に大学や専門学校で何を学び、どんな力をつけたいのかを考えて、その力をしっかりつけてくれる学校を選ぶことが大事です」

 

高校生にも知ってほしい!女子学生のための「ホワイト企業」ランキング

 

先々を見据えて今の進路を選ぶことは、簡単ではないと思うが、「ブラック企業に入ってしまったらどうしよう…」と単に不安に思っているよりは、「社会に出てちゃんと働ける力を身につけられる学校を選ぶ」、「有名企業ではなく、自分にとって働きやすい、ベストな会社を選ぶ」と一つひとつ考えていけば、何とかなりそうな気がしないだろうか?