恋に不慣れな女子高生P子の恋愛実況中継【いよいよ最終回花火デート編】

みなさん、恋の駆け引きしてますか?

男性の狩猟本能を掻き立てるような駆け引き上手な女になりたいものです。

これは恋に不慣れなP子が、恋の神様マハカラに助けられながら、恋愛を成就させるために試行錯誤しながらデートをするお話です。

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ー夏休みが始まった。

嬉しい反面、恋する乙女にとっては好きな人と無条件で会えなくて辛くもある…。

P子「夏休み飽きた~~~!会えなくてつまんない!なんとかしてマハカラ神~!」

縁側でスイカを食べながらブツクサ文句を言っているP子。

マハカラ神「デートに誘えばいいではないか。プール、海、花火…夏のイベントなんて山ほどあろう。」

P子「プールに海…!でもこんな三段腹と大根足の醜い水着姿を見せる訳にはいかないっ(泣)!!」 

マハカラ神「……」

P子「でも花火はアリ。花火大会ってたくさんありすぎて、どの花火大会に行けばいいのかわかんないや~。」

マハカラ神「花火と言えば…」

P子「隅田川花火大会!!」

早速彼に連絡するP子。……二つ返事でOK!

P子「浴衣を買いにいこうっと!」

デパートにて浴衣を選ぶP子。

P子「どれにしようかな…。たくさんありすぎて迷う…。」

マハカラ神「浴衣の柄にはいろいろな意味があるのじゃ。例えば牡丹は『幸福・富貴』、蝶は『長寿・復活・うつり気』、撫子は『笑顔・優美』、朝顔は『はかない恋』じゃ。」

P子「へぇ~!朝顔はやめておこうかな(笑)あ、これかわいい!」

手にしたのは金魚柄の浴衣。 

マハカラ神「金魚は金運アップと多産祈願じゃ。」

P子「これだ……!!」 

無事に浴衣が買えて一安心。 そんなこんなでもう花火大会当日に。

P子「わー大変、浴衣着るのに時間かかっちゃった。待ち合わせに遅れちゃう!」

彼から連絡があった。

彼「待ち合わせ場所、人が多くて見つけられないと困るから家まで迎えに行くよ。」

P子・マハカラ神(ジェントルマン…!)

「ピンポーン」 

P子「はーい!わざわざ迎えに来てくれてありがとう!」

彼「いえいえ。そんなことより、浴衣可愛いね。すごく似合ってる!」

P子「えー!ありがとう><!」

電車で浅草駅に向かう2人。目的地に近づくにつれどんどん混雑していく。

マハカラ神「人混みを理由に手をつなぐのじゃ。」

P子:(マハカラ神、大胆だな…w)

P子「人多いね~。迷子になりそう。」

彼「じゃあ、はい。」 

差し出される彼の手。

P子「ありがとう…! (よっしゃー!言ってみるもんだなぁ。)」

目的地に到着して場所取りを済ませて、屋台に向かう。

P子「金魚すくいしたい!」 

彼「じゃあ2人で勝負しよ!」

彼がさりげなく2人分の料金600円を払ってくれた。

P子「よーしたくさんすくうぞ~!」

そう意気込んだのも束の間、P子はすぐに破けてしまった。

彼「俺がとってあげるよ。」

そう言って真剣に金魚と格闘する彼。しかし金魚はなかなかつかまらない。

マハカラ神「~~~~~。」

彼「とれた!」

彼のお椀の中には出目金が一匹。

P子「わー!可愛い、ありがとう!!」

彼「うん。あ、もう花火はじまる時間だ。行こう!」

 「ヒュ~~……ドーーーーーン!!」

P子「ひゃ~綺麗~~!」

彼「ほんとだね。」

彼「……P子ちゃん。」

P子「ん?」

彼「俺と付き合ってくれない?」
P子「え…!ハイ!!」

 「ヒュ~~……ドーーーーーン!!」

マハカラ神「P子、よかったのぉ。これでわしの役目は終わりじゃ。」

そう言うと、マハカラ神は隅田川に飛び込んで見えなくなってしまった。

P子:(変な神様だったなぁ、でも今までありがとう。これからは自分の力だけで頑張らないと。)

P子と彼の青春はまだまだ続く……

隅田川に飛び込んだマハカラ神はその後……

マハカラ神「フゥ…やっと我が家に着いたわい。こんなに泳いだのなんて200年ぶりじゃ、明日は全身筋肉痛かの…。」

そこは島根県にある出雲大社。 

マハカラ神「P子は覚えていないかもしれないが、あの子が中学の修学旅行でわしにしたお願いを、やっと叶えることができたわい。」

そう言ってフッと消えたマハカラ神がいたはずのところには、七福神の一人で縁結びの神様とも言われる〝大黒様″の像が…。

~おしまい~

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大学生ライター

ちさと

新潟県産の早稲田大学文化構想学部生。動物デザインの物が大好きで、部屋はことりの大きいぬいぐるみだらけ。人生最後の日に食べたいものは鳥皮餃子です。