ビブリア古書堂からダイアモンド氏まで~東大生に人気の書籍
東大生は難解な専門書ばかり読んでいるのだろうか? 高校生が読むような軽い読み物は読まないのだろうか? 2013年3月、東京大学生協(本郷)で売れた本の上位10冊をみてみよう。
1位『ビブリア古書堂の事件手帖 4』三上延
2位『知の逆転』ジャレド・ダイアモンド、ノーム・チョムスキー ほか
3位『銃・病原菌・鉄 上巻』ジャレド・ダイアモンド
4位『現代日本の政策体系』飯尾潤
5位『統計学が最強の学問である』西内啓
6位『バイバイ、ブラックバード』伊坂幸太郎
7位『おどろきの中国』橋爪大三郎
8位『東京大学教養英語読本 1』東京大学教養学部英語部会
9位『昨日までの世界 上』ジャレド・ダイアモンド
10位『岩波生物学辞典』巌佐庸ほか
最も売れたのは『ビブリア古書堂の事件手帖4』。剛力彩芽さん主演でドラマ化されたミステリー小説の最新刊だ。
東京大学生協本郷書籍部店長の山田宏和さんに聞くと、東大生に人気のある作家は有川浩、伊坂幸太郎、東野圭吾、村上春樹など。高校生にも人気がある名前が多くあがった。
これまでも『桐島、部活やめるってよ』(朝井リョウ)、『ペンギン・ハイウェイ』(森見登美彦)など、文庫の小説がたびたびランキング上位にあがっており、学生には価格の安い文庫が買いやすいようだ。
2位以降のランキングで目を引くのは、世界的な研究者のジャレド・ダイアモンド氏に関する本が3点もランクインしている点だ。
山田店長は、ダイアモンド氏の本が売れる理由の1つに、東大の教員から新入生に読んでもらいたい1冊として『銃・病原菌・鉄』が紹介されたことをあげている。これは、なぜ人類は五つの大陸で異なる発展をとげたのか、人類史の謎に挑んだ、ピュリッツァー賞受賞作。単行本の時からよく売れており、昨年の文庫化により今後も長く売れていくことが予想されている。
また、2位の『知の逆転』は「高校生にもオススメです」と山田店長。これは、ダイアモンド氏をはじめとする世界有数の知性6人が、科学に何ができる? 人工知能の可能性は? 情報社会のゆくえは?などのテーマについて語ったインタビュー集。一人ひとりのインタビューは短いので高校生でも読みやすそうだ。
4位『現代日本の政策体系』、5位『統計学が最強の学問である』は、今後の日本の政治やデータ社会の方向性を考えさせる。どちらも著者が東大出身者であることも、東大生の興味を引くようだ。
軽い読み物から専門書まで、東大生に読まれている本は幅広い。気になる書籍があったらぜひ挑戦してみよう。